田中将大「気軽に聞いて」も…「いや、無理です」 衝撃の“初対面”に楽天ドラ1恐縮
キャッチボールした長坂ブルペン捕手「時間がたったことを感じさせない」
マー君見参を、周囲はどう受け止めたのか──。楽天に8年ぶりに復帰した田中将大投手が、6日から沖縄・金武町での1軍キャンプに合流。周囲は強烈なオーラに圧倒されつつ、興味深々で遠巻きに一挙手一投足へ視線を注いだ。【宮脇広久】
田中将と旧知の間柄で、この日もキャッチボールの相手を務めた長坂健治ブルペン捕手は「実際には8年ぶりですが、ああやってユニホームでグラウンドに来ると、時間がたったことを感じさせない。違和感なく、今まで通りというイメージが強かったです」と感慨深げ。「彼の方が年下ですが、野球人として尊敬できる人間なので、また一緒にできるのがうれしい」と付け加えた。
8年前を知る者にとっては“戻って来た日常”だが、初めて同僚となる者にとっては衝撃の初遭遇だ。田中将は練習冒頭の挨拶で、「7年間アメリカで野球をやってきて、色々経験してきたこともあるので、気軽に!気軽に聞いて下さい」と「気軽に」を強調したが、ドラフト1位ルーキーの早川隆久投手(早大)は「いや、無理です」と即答。「物凄いオーラを感じました。なかなかコミュニケーションは取れないと思いますが、徐々にやっていければ」と緊張をあらわに語った。
ランニングを見ても眼から鱗「足腰の強さがすぐにわかりました」
「ずっと憧れてきた選手ですし、急と言えば急に(復帰が)決まったので戸惑いがあります」と早川。前日に宿舎の夕食会場で、1軍キャンプに参加している新人4人で田中将のもとへ赴き挨拶したが、ほんの短いやり取りで終わってしまったという。
気安く声をかけられない分、2013年にシーズン24勝0敗で楽天に球団創設初優勝と日本一をもたらした伝説の男の動向を、周囲は目を皿のようにして見守っていた。
田中将の第一印象は「デカい」。身長だけでなく、「一瞬しか見えなかったのですが、手のひらも大きかった」と早川は証言する。そして「田中さんのランニングを見ていたら、足腰の強さがすぐにわかりました」とうなずいた。
「ストライドや一歩の力強さが全然違う。僕は『ランニングフォームは、誰もが幼少の頃の癖がついているが、走る回数を積み重ねることによって、理にかなったフォームに近づいていく』と教わりました。田中さんは人一倍走り込んだから、ああいうきれいなフォームで走れているのかなと感じました」
これからも目が離せないメジャー帰り右腕の一挙手一投足。早川が勇気を振り絞って質問をぶつければ、きっと成長へのヒントをくれるに違いない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)