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 コロナ禍で雇用が悪化している状況では、転職や副業を考える人も多いはず。そこで注目されているのが「資格」。資格を取ればすぐに仕事に就けるわけではないが、履歴書のアピールポイントとして有利になる可能性もある。また、特定の資格を持っていることにより、200円から1000円程度の時給アップにもつながる可能性は高い。

実生活にも活かせる“家事系”資格が人気

 通信講座「ユーキャン」のマーケティング担当者は、「学ぶプロセスも取得後もどちらも実りの大きいおトク資格に、特に女性は魅力を感じるようだ」と話す。

「資格取得には、やはり時間もお金も費やすことになるので、資格という『形』になりながら、身につけた知識やスキルが『実生活に即活かせる』『暮らしに目に見えて変化が生まれる』という、“一石二鳥系資格”が人気です。

 具体的には、整理収納アドバイザー・食生活アドバイザー(R)・お掃除スペシャリストあたりが、該当します」(※各資格についての詳細は後述、以下同)

 また、同じ資格でも、目指す人によって目的や用途は千差万別。

「就職・転職時のアピール材料にしたい方、結婚・出産・引っ越しなどの転機を経てブランクから復職を考える方、職場での昇進・昇給に取得が必須な方、現職からのキャリアアップを狙う方、今すぐ必要ではないけれども将来の備えにしたい方、独立開業を目指す方など動機やきっかけは本当にさまざまです。それだけ資格は大きな可能性をはらんでいるという証(あかし)だと思います」

 コロナ禍で在宅での仕事を希望する人も増えており、在宅勤務が叶(かな)う資格も人気だ。

「行政書士は、自宅を事務所にして比較的低資金で開業できること、受験制限がないことから、法学初心者の女性にも人気です。もちろん、独立開業には相応の経験とスキル、能力が必要なため、“資格取得、即、独立!”とはいきません。が、大がかりな事務所開設が必須ではないため、ハードルが低めなのも人気の理由。ネイリスト検定も、資格を技能の証として自宅開業の道を探ることも可能です」

「とにかくお金を稼ぎたい」という女性が、頑張れば取れる資格もある。

「登録販売者は、ドラッグストアや薬局、スーパーなど全国的に求人が安定し、近所で働き口を見つけやすいのが魅力です。資格手当がついたり、有資格者は時給を高く設定しているところもあり、収入に直結しやすい専門資格です。

 宅地建物取引士も、不動産業界では有資格者の設置義務があるため、資格の効力は大きく、ニーズが安定しています。こちらも資格手当が期待できます。

 医療事務や調剤薬局事務は、パートやアルバイトなど正社員以外のワークスタイルも幅広いため、『暮らしのペースを崩さず、家計のプラスαにしたい』という方にはおすすめです」

 今後の時代を見据えた資格としては、超高齢社会に対応したものが登場しているのも注目だ。

「超高齢社会の今、どなたにとっても自分ごとといえる『認知症』をテーマにしたのが認知症介助士の資格です。仕事関連で役立つのはもちろん、身近な人が認知症の方、ご自身や家族の将来の備えにしたい方にも求められています」

 “備え”という点では、終活アドバイザーも注目。

「ご自身の『エンディングノート』を作りながら実際に終活を体感して、そのノウハウを身につけられるのが魅力です。『怒り』に端を発するさまざまな社会問題が取りざたされる今、アンガーマネジメントへの注目度も急上昇しています。現代をもっと心地よくラクに生きる処世術のひとつとして、今後ますます求められるでしょう」

 通信講座の魅力は、好きな場所で好きな時間に、マイペースで取り組めることにある。

「添削課題や質問、進捗管理ツールなどカリキュラムに含まれる指導サポートは利用いただくとよいかと思います。独学にはない安心や心強さを感じていただけるでしょう」

動画で学んで資格の取得も可能

 ユニークで多彩な資格を取得できるのは、学習や試験がすべてスマホ・PCで完結するオンライン資格取得サービスを行っている「フォーミー」だ。

 代表の高瀬真彦さんは「現代のニーズに合ったニッチな資格に注目し、スマホやパソコンでスキマ時間を有効に活用しながら勉強できるよう、スマホでも読みやすいテキストに仕上げています」と話す。国家資格ではないが、名刺やプロフィールに書くと目を引く、カジュアルでおしゃれな資格も多い。

「コーヒースペシャリストなど生活を楽しくしてくれるもの、風水&パワーストーンコンサルタントなどの運気アップを目指すものもあり、起業にも役立ちます。ハンドメード好きには、手芸&クラフトクリエイターもおすすめ」

 動画も豊富なのでヨガインストラクターや筋トレスペシャリストの資格もスマホがあれば取得できる。

「断食のアドバイスができるファスティングコンサルタント、最新の食科学が学べるスポーツフードスペシャリストといった独自の資格も豊富。超高齢社会に必要とされる資格としては、介護食コンサルタントも注目されています」

 大事なのは、取得した資格をどう活かすかだろう。

「勉強して資格が取れれば、自信がつきます。“好き”を仕事にするのか、趣味の範囲にとどめておくのか、資格を取得してみて見極められる場合もあります。新しいことを始めるスタートダッシュとして、資格の取得から始めてみてはいかがでしょうか」

【プロが教える「取得するといい資格」】

 仕事に活かせる資格として、資格コンサルタントの鈴木秀明さんがおすすめの分野はITと健康だという。

「リモートワークの時代は、ITを使いこなせることが必須になります。例えば『ITパスポート』は入門編の国家資格で挑戦しやすいのではないかと思います。医療・介護分野は人手不足なので、サプリメント、食、睡眠、認知症などに関連する資格も取っておくと自分の価値を高めることができるでしょう」

 お金を稼ぎたい人へは「無理に難しい資格にチャレンジする必要はない」と言う鈴木さん。

「難しい資格=もうかる資格というわけではありません。その資格を活かして、どう仕事や価値につなげていくかが大事で、意外な資格を自分のキャリアに組み合わせて『こんなこともできるんだね』と評価してもらうという活かし方もあります」

 また、資格取得には仕事に役立てる以外にもメリットがたくさんあるそう。

「温泉やお酒、チーズなど趣味に関する資格を取得して仲間ができるコミュニティー効果も大きいです。新しいことを勉強して試験に合格することで自信が持てるメンタル効果もあるでしょう。いくつになっても始めるのは遅くないので、人生を深めるためにも、気になる資格をチェックしてみてはいかがでしょうか」すずき・ひであき ◎All About「資格」ガイド。資格・勉強法アドバイザー。東京大学大学院公共政策学教育部修了。年間80個ペースで資格・検定試験を受け続ける資格のプロ。現在、730個以上の資格をすべて独学で取得している。

おすすめ資格〜ユーキャン編〜

 ここからは、お金につながるおすすめの資格たちをご紹介!

◎整理収納アドバイザー
→お客様のニーズに応えるためのスキルアップ資格として注目
 単純に片づけをして終わりではなく、「散らかりにくく、片づけやすい」空間をつくるのが、整理収納アドバイザー。在宅受験で準1級・2級合格が目指せる。家庭向けや企業向けのコンサルティングや整理収納に関するセミナーの講師として活躍することも可能。

◎食生活アドバイザー(R)
→プライベートから仕事まで活用できる食の知識が身につく
 栄養や健康についてはもちろん、食文化や食品学など、食に関する包括的な知識を身につけられる。食を大切にする風潮が高まる中、注目の集まる資格。医療や介護・福祉の現場、児童・生徒に対する指導、飲食店でメニューやレシピの提案といった仕事に活かせる。

◎お掃除スペシャリスト
→体系的なお掃除のスキルは幅広い仕事に活用できる
 家事代行サービス「ミニメイド・サービス株式会社」が30年かけて培ったお掃除メソッドをもとに、キッチン、トイレ、バスルームなど、場所や汚れに応じた最適なお掃除テクニックが習得できる。ハウスクリーニングや家事代行サービスなど、仕事のチャンスも広がる。

◎行政書士
→国家資格なので取得すれば大きな武器に
 多くの人の権利や財産を守るため、官公署に提出する各種許認可・届出書類などを個人や企業に代わって作成するとともに、提出代理や相談業務を行う。扱える書類は数千種類以上あり、幅広く活躍することが可能。独立・開業にも役立つ。合格率は10〜15%程度。

◎ネイリスト
→プロとして活躍できる資格取得を目指す
 ネイルの基本から本格的なネイルアート、人気のジェルネイルまで、ネイルの幅広い技術がやさしく身につく。ネイリスト技能検定試験2・3級、JNAジェルネイル技能検定試験初級といった検定合格のコツも学べる。ネイルサロンへの就職や自宅サロンの開業も可能に。

◎登録販売者
→医療業界の高ニーズ資格。収入アップが期待できる
 2006年の薬事法改正によって誕生したのが登録販売者。風邪薬や鎮痛剤の一般用医薬品の販売ができる薬のスペシャリスト。ドラッグストアや薬局に勤務し医薬にまつわる豊富な知識で、お客様に適切なアドバイスを行う。受験資格の制限はなし。

◎宅地建物取引士(宅建)
→不動産業界への就・転職やキャリアアップに
 不動産の売買や賃貸の仲介などに不可欠な資格。宅地建物取引士にしかできない「独占業務」が法律で決められている。銀行・保険・証券会社など、融資の際、担保として不動産を扱うことが多い金融業界でも宅建資格が求められる。国家資格の中では比較的取りやすい資格。

◎医療事務
→年齢に左右されにくく働く時間も選びやすい
 就職、転職、再就職に役立つ。主な仕事内容は、医療関連機関での受付や会計、レセプト(診療報酬明細書)作成など。好不況に左右されることなく、安定したニーズがあり、勤務形態もさまざまで、自分に合った働き方を選びやすい。試験は未経験でもチャレンジしやすい。

◎調剤薬局事務
→日本全国にあるため就職場所に困らない
 ニーズや注目度が上昇中の調剤薬局で保険の確認やレセプト(調剤報酬明細書)作成を行う仕事。受付や会計、薬剤師のサポートも。薬の専門知識がない方でも目指せる。医薬分業が進み、ニーズが高まっている。フルタイム、午前中だけ、残業なしなど、働き方を選びやすいのも魅力。

◎認知症介助士
→適切なコミュニケーションで超高齢化社会を支える
 2014年に誕生した資格。認知症の方と接する際の心構えやコミュニケーションのとり方など、認知症の方への正しい応対方法を身につけることができる。学んだ知識は、病院や介護施設での業務、ホテルや駅、デパートなど、多くの人と接する職場でも活用できる。

◎終活アドバイザー
→エンディングノート作成で仕事でのスキルアップに
 終活アドバイザーは、人生の後半期の総合的なライフプラン設計をサポートする専門家。終活の基礎知識をはじめ、社会保険制度、財産管理や相続対策、葬儀・墓など、幅広い知識が身につく。医療・介護関係・葬祭業・金融関係などで働く方のスキルアップにもつながる。

◎アンガーマネジメント
→イライラやストレスが軽減され幸せな毎日を送ることができる
 アンガーマネジメントとは、怒りと上手に向き合うための心理トレーニング。子育てや介護の現場でのイライラに悩む方、上手な叱り方を学んで、マネジメントに活かしたい管理職の方などにおすすめ。アンガーマネジメント ベーシック資格を取得できる。

おすすめ資格〜フォーミー編〜

◎コーヒースペシャリスト
→就職や独立で“好き”を仕事にフードペアリングの理論も習得
 実践的な知識と、現代に活用できる応用技術を身につけたコーヒーのプロフェッショナルに。豆の知識やコーヒーの淹れ方はもちろん、カフェ開業のノウハウまで、レベルの高い知識がわかりやすく学べるので、「将来自分の店を持ちたい」という方にもおすすめ。

◎風水&パワーストーンコンサルタント
→スピリチュアルな世界で仕事ができる知識を身につける
 風水やパワーストーンの起源・発展の歴史や風水の基本用語、パワーストーンの扱い方・選び方などの基本知識、身近な掃除や整理整頓における風水の活用術を多数紹介。自宅で風水教室を開業したり、パワーストーンアクセサリー作家として独立するといった道も。

◎手芸&クラフトクリエイター
→正しい知識と制作技術を習得自宅サロンも目指せる
 手芸の中でも人気の高い「アクセサリー・レジンクラフト・刺しゅう・編み物」の4つの分野における基本の道具や使い方、さらにプロの作家による制作技術や技法を動画でイチから習得。趣味としての枠を超え、仕事に活用できる可能性も。ハンドメード教室開催の一歩に。

◎ヨガインストラクター
→正しいヨガの知識と技術が動画によって幅広く身につく
 ヨガの起源、哲学(瞑想、エネルギー)の理論知識をはじめ、プロの講師による動きや呼吸法などの実践知識を幅広く学習することができ、正しいヨガが実践できる専門家としての知識が習得できる。ヨガスタジオやフィットネスクラブでの仕事が目指せる。

◎筋トレスペシャリスト
→理想の身体づくりやダイエットの専門家として活躍を
 Snow Manの岩本照も取得したことで知られる資格。筋肉の基礎知識から具体的なトレーニング方法、体内の仕組みや食事管理、筋肥大のコツまで幅広い内容を学べる。自分自身の身体づくりに役立つほか、スポーツクラブへの就職・転職、トレーニングジムの開業、セミナー講師などの仕事に活かせる。

◎ファスティングコンサルタント
→自分のためのファスティングと仕事のための+αのスキルに
 ファスティングの実践方法や食・生体理論の正しい知識を身につけたインナービューティーのプロフェッショナルに。美容・健康に悩んでいる方に指導・アドバイスができるようになる。ファスティング講座のプチ起業や美容ライターへの転身、飲食業界などでも役立つ。

◎スポーツフードスペシャリスト
→アスリートの調理師やスポーツに関わる仕事に役立つ
 スポーツ選手を支える源である食生活と栄養の基礎知識、スポーツの種目や競技のレベル・性別・世代別の食事のとり方をはじめ、目的・コンディションに合わせたスポーツフードレシピなども学習。アスリートや子どもなどスポーツに携わる人に専門家としてアドバイスできる。

◎介護食コンサルタント
→介護食の専門家として活躍の場は無限大
 高齢者の心理をベースに考えた介護の技術、正しい食事のとり方を身につけられるので、要介護者との意思疎通をとりながら「楽しい食事」を実践できる力が身につく。自分自身や家族の健康と将来に役立つほか、介護福祉・医療業界の仕事でのスキルアップに。

(取材・文/紀和静)