アーセナルでは真価を発揮できていないウィリアン photo/Getty Images

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昨季からここまで大きく変わってしまうものなのだろうか。

今季のアーセナルにとって想定外だったのは、昨夏に新戦力として獲得した32歳のベテランFWウィリアンの大苦戦だ。ウィリアンといえばチェルシーで活躍してきたアタッカーであり、プレミアリーグの環境も熟知している。若くはないが、そのぶんアーセナルは即戦力として計算していたはずだ。

ところが、ここまでウィリアンはリーグ戦13試合で0得点3アシストと寂しい成績だ。開幕節のフラム戦で2アシストを決めた時は明るい未来が待っていると思われたのだが、サポーターを興奮させたのは開幕戦くらいのものだ。ヨーロッパリーグなど、全コンペティションを含めて無得点なのはさすがに厳しい。

もちろんアーセナルのチーム状態も良くなかったため、ウィリアンとしても難しさはあったはず。それでも、ここまで結果を残せないシナリオはクラブも本人も想定していなかっただろう。

チェルシーでプレイしていた昨季と数字を比較すると、ほとんどすべてのスタッツが落ちている。例えばリーグ戦での1試合平均シュート数は昨季が2本だったのに対し、今季は0.8本。1試合平均ドリブル成功数は昨季が1.8回だったのに対し、今季は0.6回。1試合平均キーパス数(シュートに直結するパス)は昨季の2.1本から1.3本まで低下した。

守備の方も1試合平均タックル成功数が昨季の1.3回から、0.6回まで低下。1試合平均インターセプト数も0.6本から0.2本にまで下がった。今のところウィリアンに大きな期待をかけるのは難しい状況だ。

今季のアーセナルは攻撃面での創造性不足が指摘されてきたが、本来はウィリアンがチャンスメイクで引っ張ってほしいところ。今では若いエミール・スミス・ロウやガブリエウ・マルティネッリに期待が集まっており、ベテランであるウィリアンの存在感は薄くなった。

チェルシー時代の輝きを知るだけにもどかしいが、2021年は本来の実力を発揮できるのか。まだ衰えていないことを証明してほしいところだ。(データは『WhoScored.com』より)