「櫛でとかせない頭髪症候群」の女児(画像は『Lyla Grace Barlow 2017年9月19日付Facebook』のスクリーンショット)

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世界で100例ほどしか報告されていない「櫛でとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome、以下UHS)」は、髪が常に逆毛で櫛を入れてもとかすことが困難な疾患だ。このほどUHSを患う9歳女児の母が『Mirror』などのインタビューに応じ、娘の成長や髪の変化について語った。

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英ダービーシャーのダービーに住むライラ=グレース・バーローちゃん(Lyla-Grace Barlow、9)は「櫛でとかせない頭髪症候群(UHS)」を患っている。UHSは世界で100例ほどしか報告されていない珍しい病気で、ライラちゃんがUHSと診断されたのは5歳の時だったという。

ライラちゃんの母アレックスさんは、幼い頃のライラちゃんについてこう振り返る。

「誕生後少しずつ伸び始めたライラの髪は、まるで綿菓子のようにフワフワでした。娘を見た人には『赤ちゃんの髪はそんなものよ』と言われましたが、ライラと1歳8か月しか離れていない姉の髪とは全く違っていたので、どこかで『普通ではない』と思っていたのです。」

「4歳頃になると、長くなった髪が絡まるようになりました。シャンプーを変えたり整髪剤を使ったりといろいろ努力はしたのですが、時間が経つと髪が立ってしまいまとまらないのです。」

「身体が弱かったライラを病院に連れていくと、医師らは『こんな髪はこれまで見たことがない』と言うものの、はっきりした原因はわかりませんでした。私たちは『ビタミン不足なのではないかしら』と思っていました。」

「UHSと診断されたのは、ライラのリンパ腺が腫れて熱を出したため病院を訪れた5歳の時で、『なぜ綿毛のような髪なのか』がわかり安堵したことを覚えています。」

なおドイツの大学研究チームは、UHSは毛幹を作る3つのたんぱく質のいずれかの突然変異が関係していること、50%以上の患者の毛幹がハート形や三角形になっていることを突き止めており、髪の色はゴールドやシルバーで伸びる速度も遅いという。ライラちゃんの場合、両親の髪は茶系で、姉は母親の髪色と似ている。

アレックスさんは「あの子はフワフワの髪を特別だと思っているようです。よく学校で『触らせて』と言われるようですが、嫌な顔もせずに対応しているようです。陽気で明るい性格なので、学校では人気者なんですよ。ただ手入れがあまり必要ない、姉のような髪にずっとあこがれていたのです」と語ると、最近のライラちゃんの様子についてこう明かした。

「実はUHSは年頃になると自然に治ることがあるそうで、ライラも昨年初め頃から髪がだいぶ落ち着いてきたのです。櫛をスムーズに入れることができるようになり、手入れの時間が短縮されて、私にとっても娘にとってもだいぶ楽になりました。今では三つ編みにするとUHSとはわからないくらいで、本人は満足しているようです。」

ただ娘の成長にアレックスさんは寂しさも感じているようで、最後にこう述べている。

「ライラが成長したと言えばそれまでですが、『もう少し長く、ふわふわの髪のままでいて欲しい』と思うこともあります。幼い頃がなんだか懐かしいですね。最近はずいぶんとお姉さんになって勉強を頑張っていますよ。」

画像は『Lyla Grace Barlow 2017年9月19日付Facebook、2017年10月2日付Facebook、2018年8月13日付Facebook、2018年7月11日付Facebook「Lyla was 2.5 years old here」、2020年3月10日付Facebook「We don’t post much these days.」、2018年8月17日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)