灰汁を取らないとどうなるの?効果的な取り方を食材別に徹底解説!
野菜や肉をコトコト煮込んでいると、なぜか出てくる白く濁ったアワアワたち。それが「灰汁」と呼ばれるものだと知りつつも、結局正体がわからないまま適当に取って終わっている、なんて方も多いのでは? 今回は、そんな身近なちょっとした謎・灰汁についてしっかりご紹介します!
■灰汁の正体とは?
ゴボウやナスなどの野菜から出る灰汁も、肉や魚から出る灰汁も、一括りに「灰汁」と同じ名前で呼ばれていますが、実はその正体は微妙に違います。しかし、どの灰汁も臭みやえぐ味・苦味の元となるのは同じです。適切に取り除かなければ、料理の見栄えだけでなく健康にまで影響が出てしまうものもあるので、気をつけましょう!
野菜の灰汁の正体は、実はさまざま。ほとんどの植物が外敵から自分の身を守るため、灰汁となる成分を持っているのですが、その量や成分は植物によって異なります。ホウレンソウのシュウ酸のようにしっかり取り除いた方がよい灰汁もあれば、ゴボウやナスなどポリフェノール類からなる有益な灰汁もあり、灰汁の取り方もそれぞれ違います。なので、食材や作りたい料理に合わせた下ごしらえを覚えておくことが大切です。
肉や魚の灰汁の正体は、肉や魚から流れ出したドリップや肉汁に含まれるタンパク質などが熱で固まったものです。それ自体に害はないものの、そのままにしておくとせっかく作った料理の見た目や味にも影響しますし、鍋に付いて頑固な汚れにもなって厄介です。
特に、一度冷凍したものは細胞が壊れてしまっているので、解凍するとドリップが出やすくなり、灰汁も多くなってしまいます。また、長期間保存していたものにも同じことが言えるでしょう。ドリップはしっかり拭き取り、余分な脂を切り取ると灰汁は出にくくなります。
■なぜ灰汁取りをした方がいいの?
前述でもご紹介した通り、人体に害を及ぼすような灰汁はできるだけ取り除くべきですが、灰汁にはその食材が持つ本来の風味や旨味、栄養も含まれているので、種類によっては取りすぎもよくありません。
ホウレンソウの灰汁の成分であるシュウ酸は、大量に摂取するとあのとんでもなく痛みを伴う病気・結石の原因になってしまいます。また、タケノコにも同様にシュウ酸が含まれているため、しっかりとした灰汁抜きが必要です。
そのほか、フキやフキノトウにはピロリジジンアルカロイド類、わらびにはプタキロサイドという天然毒が含まれているので安全に食べるためにはやはり灰汁抜きをおすすめします。
ゼンマイなどの春の山菜は、えぐみも強く基本的にはそのままでは食べられません。おいしく食べるためには適切な灰汁抜きが必要です。また、肉や魚の動物性の灰汁には、脂肪が含まれているため、残したままだと臭みの原因にもなります。
食品によって灰汁の色は、白かったり、薄茶だったり差はありますが、どちらにせよ基本的に残したままだと見た目が悪いです。カレーなどルーでごまかせるものもありますが、肉じゃがや豚汁などの料理では、ある程度灰汁はすくっておいた方がきれいな仕上がりになるでしょう。また、野菜によっては灰汁抜きをすると、色をきれいに保つこともできます。
■効果的な灰汁の取り方
灰汁のことが少しわかってきたところで、今度は食材別に灰汁を取る方法を具体的にご紹介します!
主に、オクラ、キュウリ など
オクラやキュウリは塩を振ってまな板の上で転がせば灰汁取り完了! オクラは実はそのまま生でも食べられますが、板ずりしたあとにさっとお湯で茹でれば色も鮮やかに仕上がります。その際は、冷水には取らず網やザルの上で自然に冷めるのを待ちましょう。
主に、ゴボウ、ジャガイモ、サツマイモ、ナス など
根野菜やナスの灰汁の成分は、主にポリフェノール類などで、水にさらすだけでも十分灰汁抜きになります。むしろ、灰汁抜きしすぎると栄養価まで損なわれてしまうので、ほどほどにしましょう。
根野菜は皮をむき、切ったそばから水の張ったボールなどに入れていき、切り終わったら一度水を捨てて、きれいな水に変えてからさらに10分ほど水にさらして灰汁を抜きます。ナスの場合も同じ方法ですが、さらす水に対して0.5〜1%程度の塩を水に加えておくと、色もきれいに仕上がります。
主に、レンコン、ゴボウ など
レンコンやゴボウは、酢水につけると灰汁が抜けて白くきれいな色に仕上がります。レンコン1節(約200g)に対して、水500mlに酢を小さじ1程度混ぜたものを用意して、それに約5分〜10分ほどさらします。また、この方法だとれんこんはシャキッとした歯応えになるので、天ぷらや酢の物、きんぴらなどの料理に向いています。しかし、醤油などで味付けして彩りをあまり気にしない場合や、ホクホクとした食感を楽しみたい場合は、灰汁抜きを省いてもかまいません。
主に、ホウレンソウ、こんにゃく など
シュウ酸は水溶性なので水に溶けやすく、ホウレンソウなどは下茹ですることで約70%のシュウ酸を取り除くことができるそうです。さらに、茹でたあと冷水にさらし色止めをすれば、鮮やかな緑色を保つことができます。
また、こんにゃくには独特な臭みがあり、これを取り除くには茹でて灰汁抜きをするのが効果的です。ですが、最近では灰汁抜き不要なものも売られているので、そういったものを上手に活用してもいいかもしれませんね!
ホウレンソウなどの葉野菜の場合は、鍋にたっぷり水を入れて沸かし、そこに水の0.5%程度の塩を加え、根元から約1分ほど茹で、冷水にさらし色止めをします。こんにゃくの場合は、ちぎって塩もみをしてから、塩がついたまま2〜3分茹で、冷水にはさらしません。
主に、ダイコン など
最近のダイコンは灰汁が少なくなったと言われていますが、それでも煮物など大きな輪切りで使う場合は、独特な苦味が気になることもあります。そんなときは、米のとぎ汁で茹でて灰汁を抜きましょう! 米のとぎ汁で茹でることで、ダイコンが白くきれいに仕上がるほか、米のとぎ汁とダイコンの成分が反応してダイコンの甘みをより引き立ててくれます。
米のとぎ汁は、より米の成分が含まれている最初に捨てるとぎ汁を使用しましょう。もし、米のとぎ汁がない場合は、生米を一つまみ茶腰袋などに詰めて鍋に入れてもOKです。
主に、タケノコ など
タケノコの独特で強烈なえぐみの正体は、ホウレンソウと同様のシュウ酸です。灰汁抜きに米ぬかを使うと、米ぬかに含まれているカルシウムがシュウ酸に作用して、えぐみを感じにくくしてくれます。さらに、米ぬかに含まれている脂肪分とアミノ酸は、タケノコを柔らかくしてくれるうえに、酸化して黒ずんでしまうのも防いでくれるので、白くきれいに仕上げることができます。
タケノコ2、3本に対してかぶるくらいの水に、米ぬか1カップ、タカの爪1本を加え、強火にかけます。沸騰したら弱火に落としそのまま約1時間じっくり煮ます。水が少なくなってタケノコが顔を出してしまったら、そのつど水を足しましょう。茹であがったら煮汁につけたまま一晩置き、皮をむいて十分に水洗いをして灰汁とぬか臭さを落とします。
主に、ワラビやゼンマイなどの山菜 など
ワラビやゼンマイなど繊維が発達した灰汁の強い山菜には、アルカリ性の重曹を使って灰汁抜きをします。ワラビ約500gに対して水1000mlを沸かし、そこに小さじ1〜2程度(水の1%以下)入れて再度沸騰したら火を止め、ワラビを浸します。そのまま一晩置き、ワラビが好みの硬さになっていれば、取り出して流水で水洗いをし、灰汁抜き完了です。
スーパーなどで売られている水煮は灰汁抜き不要で便利ですが、柔らかすぎるものが多く本来の食感を楽しめないのが残念なところ。しかし、自分で灰汁抜きをすれば、好みの食感にできるので、少々手間はかかるかもしれませんが一度挑戦してみるのもいかがでしょう。
■灰汁取りに便利な道具
野菜は下処理をすればある程度灰汁が出にくくなります。しかし、それでも煮込んでいて出できてしまった灰汁は、どうやって取り除くのが良いのでしょうか。普通のおたまで地道にすくっても問題はありませんが、最近ではさまざまな道具が売っているので、自分にあったものを選んで使ってみるのも手です!
普通のおたまでは煮汁まで取ってしまって厄介。しかし、メッシュ素材のおたまであればそれも解決します。メッシュ部分についた灰汁は水で濯ぎ流すか、ボールなどに水を張ってそこにくぐらせれば簡単にきれいになります。
厚手のフェルトタイプのキッチンペーパーを鍋の大きさに切り、表面に被せ、箸でそっと持ち上げると灰汁が取れます。一度に取り切れなければ新しいキッチンペーパーを用意して、同じ作業を繰り返してみてください。落とし蓋代わりにもなるので一石二鳥です。
アルミホイルを鍋より少し大きめに切り取り、いったん丸めて広げ表面に凸凹をつくります。その状態のアルミホイルを鍋の表面に被せると、灰汁がその凸凹につく仕組みです。キッチンペーパーと同様、一度であまりたくさんの灰汁は取れませんが、こちらは水で洗い流せば再利用可能です。
筆のような形状で、ササッと鍋表面を撫でるだけで灰汁が取れます。煮汁をすくってしまうストレスもなければ、食材に当たって煮崩れさせる心配もありません。ただ、落とし蓋代わりにはならないので、落とし蓋が必要のないカレーや豚汁などたくさんの汁で煮るタイプの料理により向いています。
■灰汁取りをしなくてよい食材とは?
多かれ少なかれ食材には灰汁の出る成分が存在しています。ただ、生食できるものはあまり灰汁抜きのことは心配しなくても大丈夫です。
玉ねぎの灰汁は水溶性で、それ自体に甘みがあるのでむしろ取らなくてOKです。
生野菜の代表格! サラダに欠かせないキャベツやレタスも灰汁抜きは不要です。
■安心安全な食卓を提供!
食材によって灰汁抜きの方法がいろいろあることがわかりましたね! 少し面倒と思うかもしれませんが、せめて人体に有害なものは取り除けるようになれば、安心して家族で食卓を囲むことができます。おいしさや出来栄えも左右するので、適度な範囲で灰汁取りができるように慣れていきましょう!
(AYA)
©https://www.photo-ac.com
■灰汁の正体とは?
ゴボウやナスなどの野菜から出る灰汁も、肉や魚から出る灰汁も、一括りに「灰汁」と同じ名前で呼ばれていますが、実はその正体は微妙に違います。しかし、どの灰汁も臭みやえぐ味・苦味の元となるのは同じです。適切に取り除かなければ、料理の見栄えだけでなく健康にまで影響が出てしまうものもあるので、気をつけましょう!
・植物性の灰汁
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野菜の灰汁の正体は、実はさまざま。ほとんどの植物が外敵から自分の身を守るため、灰汁となる成分を持っているのですが、その量や成分は植物によって異なります。ホウレンソウのシュウ酸のようにしっかり取り除いた方がよい灰汁もあれば、ゴボウやナスなどポリフェノール類からなる有益な灰汁もあり、灰汁の取り方もそれぞれ違います。なので、食材や作りたい料理に合わせた下ごしらえを覚えておくことが大切です。
・動物性の灰汁
©https://unsplash.com/
肉や魚の灰汁の正体は、肉や魚から流れ出したドリップや肉汁に含まれるタンパク質などが熱で固まったものです。それ自体に害はないものの、そのままにしておくとせっかく作った料理の見た目や味にも影響しますし、鍋に付いて頑固な汚れにもなって厄介です。
特に、一度冷凍したものは細胞が壊れてしまっているので、解凍するとドリップが出やすくなり、灰汁も多くなってしまいます。また、長期間保存していたものにも同じことが言えるでしょう。ドリップはしっかり拭き取り、余分な脂を切り取ると灰汁は出にくくなります。
■なぜ灰汁取りをした方がいいの?
前述でもご紹介した通り、人体に害を及ぼすような灰汁はできるだけ取り除くべきですが、灰汁にはその食材が持つ本来の風味や旨味、栄養も含まれているので、種類によっては取りすぎもよくありません。
・人体に悪影響な灰汁
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ホウレンソウの灰汁の成分であるシュウ酸は、大量に摂取するとあのとんでもなく痛みを伴う病気・結石の原因になってしまいます。また、タケノコにも同様にシュウ酸が含まれているため、しっかりとした灰汁抜きが必要です。
そのほか、フキやフキノトウにはピロリジジンアルカロイド類、わらびにはプタキロサイドという天然毒が含まれているので安全に食べるためにはやはり灰汁抜きをおすすめします。
・料理の味や風味が損なわれる
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ゼンマイなどの春の山菜は、えぐみも強く基本的にはそのままでは食べられません。おいしく食べるためには適切な灰汁抜きが必要です。また、肉や魚の動物性の灰汁には、脂肪が含まれているため、残したままだと臭みの原因にもなります。
・見た目が損なわれる
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食品によって灰汁の色は、白かったり、薄茶だったり差はありますが、どちらにせよ基本的に残したままだと見た目が悪いです。カレーなどルーでごまかせるものもありますが、肉じゃがや豚汁などの料理では、ある程度灰汁はすくっておいた方がきれいな仕上がりになるでしょう。また、野菜によっては灰汁抜きをすると、色をきれいに保つこともできます。
■効果的な灰汁の取り方
灰汁のことが少しわかってきたところで、今度は食材別に灰汁を取る方法を具体的にご紹介します!
・塩をなじませて板ずり
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主に、オクラ、キュウリ など
オクラやキュウリは塩を振ってまな板の上で転がせば灰汁取り完了! オクラは実はそのまま生でも食べられますが、板ずりしたあとにさっとお湯で茹でれば色も鮮やかに仕上がります。その際は、冷水には取らず網やザルの上で自然に冷めるのを待ちましょう。
・水にさらす方法
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主に、ゴボウ、ジャガイモ、サツマイモ、ナス など
根野菜やナスの灰汁の成分は、主にポリフェノール類などで、水にさらすだけでも十分灰汁抜きになります。むしろ、灰汁抜きしすぎると栄養価まで損なわれてしまうので、ほどほどにしましょう。
根野菜は皮をむき、切ったそばから水の張ったボールなどに入れていき、切り終わったら一度水を捨てて、きれいな水に変えてからさらに10分ほど水にさらして灰汁を抜きます。ナスの場合も同じ方法ですが、さらす水に対して0.5〜1%程度の塩を水に加えておくと、色もきれいに仕上がります。
・酢水にさらす方法
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主に、レンコン、ゴボウ など
レンコンやゴボウは、酢水につけると灰汁が抜けて白くきれいな色に仕上がります。レンコン1節(約200g)に対して、水500mlに酢を小さじ1程度混ぜたものを用意して、それに約5分〜10分ほどさらします。また、この方法だとれんこんはシャキッとした歯応えになるので、天ぷらや酢の物、きんぴらなどの料理に向いています。しかし、醤油などで味付けして彩りをあまり気にしない場合や、ホクホクとした食感を楽しみたい場合は、灰汁抜きを省いてもかまいません。
・塩を入れて熱湯でさっと茹でる方法
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主に、ホウレンソウ、こんにゃく など
シュウ酸は水溶性なので水に溶けやすく、ホウレンソウなどは下茹ですることで約70%のシュウ酸を取り除くことができるそうです。さらに、茹でたあと冷水にさらし色止めをすれば、鮮やかな緑色を保つことができます。
また、こんにゃくには独特な臭みがあり、これを取り除くには茹でて灰汁抜きをするのが効果的です。ですが、最近では灰汁抜き不要なものも売られているので、そういったものを上手に活用してもいいかもしれませんね!
ホウレンソウなどの葉野菜の場合は、鍋にたっぷり水を入れて沸かし、そこに水の0.5%程度の塩を加え、根元から約1分ほど茹で、冷水にさらし色止めをします。こんにゃくの場合は、ちぎって塩もみをしてから、塩がついたまま2〜3分茹で、冷水にはさらしません。
・米のとぎ汁で茹でる方法
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主に、ダイコン など
最近のダイコンは灰汁が少なくなったと言われていますが、それでも煮物など大きな輪切りで使う場合は、独特な苦味が気になることもあります。そんなときは、米のとぎ汁で茹でて灰汁を抜きましょう! 米のとぎ汁で茹でることで、ダイコンが白くきれいに仕上がるほか、米のとぎ汁とダイコンの成分が反応してダイコンの甘みをより引き立ててくれます。
米のとぎ汁は、より米の成分が含まれている最初に捨てるとぎ汁を使用しましょう。もし、米のとぎ汁がない場合は、生米を一つまみ茶腰袋などに詰めて鍋に入れてもOKです。
・米ぬかを入れて茹でる方法
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主に、タケノコ など
タケノコの独特で強烈なえぐみの正体は、ホウレンソウと同様のシュウ酸です。灰汁抜きに米ぬかを使うと、米ぬかに含まれているカルシウムがシュウ酸に作用して、えぐみを感じにくくしてくれます。さらに、米ぬかに含まれている脂肪分とアミノ酸は、タケノコを柔らかくしてくれるうえに、酸化して黒ずんでしまうのも防いでくれるので、白くきれいに仕上げることができます。
タケノコ2、3本に対してかぶるくらいの水に、米ぬか1カップ、タカの爪1本を加え、強火にかけます。沸騰したら弱火に落としそのまま約1時間じっくり煮ます。水が少なくなってタケノコが顔を出してしまったら、そのつど水を足しましょう。茹であがったら煮汁につけたまま一晩置き、皮をむいて十分に水洗いをして灰汁とぬか臭さを落とします。
・重曹を入れて茹でる方法
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主に、ワラビやゼンマイなどの山菜 など
ワラビやゼンマイなど繊維が発達した灰汁の強い山菜には、アルカリ性の重曹を使って灰汁抜きをします。ワラビ約500gに対して水1000mlを沸かし、そこに小さじ1〜2程度(水の1%以下)入れて再度沸騰したら火を止め、ワラビを浸します。そのまま一晩置き、ワラビが好みの硬さになっていれば、取り出して流水で水洗いをし、灰汁抜き完了です。
スーパーなどで売られている水煮は灰汁抜き不要で便利ですが、柔らかすぎるものが多く本来の食感を楽しめないのが残念なところ。しかし、自分で灰汁抜きをすれば、好みの食感にできるので、少々手間はかかるかもしれませんが一度挑戦してみるのもいかがでしょう。
■灰汁取りに便利な道具
野菜は下処理をすればある程度灰汁が出にくくなります。しかし、それでも煮込んでいて出できてしまった灰汁は、どうやって取り除くのが良いのでしょうか。普通のおたまで地道にすくっても問題はありませんが、最近ではさまざまな道具が売っているので、自分にあったものを選んで使ってみるのも手です!
©https://unsplash.com/
・メッシュ性おたま
普通のおたまでは煮汁まで取ってしまって厄介。しかし、メッシュ素材のおたまであればそれも解決します。メッシュ部分についた灰汁は水で濯ぎ流すか、ボールなどに水を張ってそこにくぐらせれば簡単にきれいになります。
・キッチンペーパー
厚手のフェルトタイプのキッチンペーパーを鍋の大きさに切り、表面に被せ、箸でそっと持ち上げると灰汁が取れます。一度に取り切れなければ新しいキッチンペーパーを用意して、同じ作業を繰り返してみてください。落とし蓋代わりにもなるので一石二鳥です。
・アルミホイル
アルミホイルを鍋より少し大きめに切り取り、いったん丸めて広げ表面に凸凹をつくります。その状態のアルミホイルを鍋の表面に被せると、灰汁がその凸凹につく仕組みです。キッチンペーパーと同様、一度であまりたくさんの灰汁は取れませんが、こちらは水で洗い流せば再利用可能です。
・灰汁取りブラシ
筆のような形状で、ササッと鍋表面を撫でるだけで灰汁が取れます。煮汁をすくってしまうストレスもなければ、食材に当たって煮崩れさせる心配もありません。ただ、落とし蓋代わりにはならないので、落とし蓋が必要のないカレーや豚汁などたくさんの汁で煮るタイプの料理により向いています。
■灰汁取りをしなくてよい食材とは?
多かれ少なかれ食材には灰汁の出る成分が存在しています。ただ、生食できるものはあまり灰汁抜きのことは心配しなくても大丈夫です。
・玉ねぎ
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玉ねぎの灰汁は水溶性で、それ自体に甘みがあるのでむしろ取らなくてOKです。
・キャベツやレタス
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生野菜の代表格! サラダに欠かせないキャベツやレタスも灰汁抜きは不要です。
■安心安全な食卓を提供!
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食材によって灰汁抜きの方法がいろいろあることがわかりましたね! 少し面倒と思うかもしれませんが、せめて人体に有害なものは取り除けるようになれば、安心して家族で食卓を囲むことができます。おいしさや出来栄えも左右するので、適度な範囲で灰汁取りができるように慣れていきましょう!
(AYA)