新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、3月は多くの小中学校や高校、特別支援学校が臨時休校となっています。健康のためとはいえ、働き盛りの親たちは急な通達に驚き、困っています。
実際に「子どもが休校になった」というESSE読者107人に、休校中の生活の実態を詳しく聞いてみました。

給食のありがたさを実感!多くの親が直面した子どものお昼ごはん問題



学校が休校になった親たちからもっとも多く挙げられた困りごとが、子どもたちのお昼ごはんです。

「自分だけだったら、菓子パン1つとかサラサラっとお茶漬けでもいいくらいだけど、子どもの昼ごはんを毎日つくらねばならなくなり相当困っています」(愛知県・主婦・38歳)

休校と同時に子どもの給食がなくなってしまったしわ寄せが、親にとって大きな負担になってしまった様子。

●学校給食って本当にスゴイ


お昼ごはんは、袋麺に野菜をプラスするなどして乗りきる人が多数です

「給食のように栄養バランスもよく品数も豊富なメニューを毎日つくるのは難しいです。
基本は麺類や丼ものが多い昼食なので、牛乳を飲ませる、包丁を使わなくていい果物をプラスするなどして乗りきっています」(北海道・主婦・33歳)

「学校給食のように栄養面を考えた食事をつくるのが大変。また、食べ盛りの小学1年生の息子なので、1食増えると食費がすごくかかります」(千葉県・主婦・34歳)

コスパやつくる手間暇が余計にかかるのはもちろん、子どもたちの成長に必要な栄養バランスを考えてつくられた学校給食のクオリティを家でも毎日続けるのは大変です。
「学校で、友達とわいわいおしゃべりしながら食べる時間ってとても大事だった」としみじみ実感した人も。

休校になった子どもたちのランチをどのように対応しているのか、各家庭における工夫やアイデアも聞いてみました。

●一緒に料理する時間を楽しんでいる!


子どもと一緒に新しいメニューに挑戦。こちらはクスクスです

「子どもがただ食べるだけでなく、一緒に野菜を切ったりちぎったり、炒めたり、食器を並べたりして過ごしている」(愛知県・主婦・31歳)

「給食に比べてお昼ご飯がだいぶ簡素になってしまいますが、サンドイッチなど親子でつくれるものに楽しみながら挑戦しています」(愛知県・主婦・35歳)

「いつかまたこういうことになったときのために、子どもたちにウインナーを焼かせてみたり、自分でご飯をよそわせてみたり、少し早いですが自分でできることをやらせて自立心を芽生えさせたいと思っています」(宮城県・主婦・31歳)

一緒に料理することで親子でのコミュニケーションが増えてよかったという人もいました。実際に食材に触る機会をつくるのも食育になってよさそうですね。

●単品料理にならないように工夫している家庭も!

「お総菜や麺類が大活躍! なるべく単品料理にならないようにカット野菜をストックしています」(大阪府・主婦・43歳)

「つくりおきの副菜を多めに用意しています」(神奈川県・自営業・39歳)

休日にタッパーなどにおかずを何種類も仕込んで、子どもだけでもチンすれば食べられるようにするなど上手に工夫している人もいました。
ほかにも、以前はやったジャーサラダを子ども用にたくさん準備したご家庭も。

●朝、お昼のお弁当もつくってしまう


出かけない日も子どものお弁当をつくるという人も

「出かけない日でもお弁当をつくっています。朝に一気につくれば、気分的に食事づくりが1回減った気分になるので。子どもが食べそうなメニューに挑戦したり、今は野菜やお肉が安いので食材のグレードアップをして楽しい家ご飯にしようとしています」(東京都・主婦・43歳)

この方は冷凍食品も利用しながら、自分の時間を確保するようにもしているそう。

「パンや麺類などの炭水化物に偏りがち」と悩んでいる家庭も多かったので、ある程度割りきりながら市販のものを取り入れていくのもアリかもしれませんね。

●冷凍食品はいざという時の強い味方!


冷凍ギョーザの献立は簡単なのに子どもウケもよし!

「4人分を3食。大変だけど、生協の冷凍食品を買って乗りきっています」(東京都・主婦・39歳)

「宅配の冷凍食品やつくりおきを冷凍。忙しいときはそれらを利用しています。春休み中はワタミの格安弁当を頼んでみました」(神奈川県・講師・44歳)

少し食費はかさんでしまいますが、この事態が永遠に続くわけではないので、外部のサービスに頼りながら、親の負担軽減を優先するのもこの有事には必要かも。

しかし、心配なのはお昼のごはんだけではありません…。

メンタルを直撃!?家の中でパワーがあまる子どもたち



普段の学校生活が一転、外出もあまりせず、在宅での生活を強いられている子どもたちにとって、この環境の変化が心にどのような影響を及ぼしているのかはまだわかりません。でも、親たちの目からは、少し不安な兆候が見え始めているようです。

●深刻な子どもの運動不足


思いっきり動き回れる体育の授業や放課後の遊びがなくなって、子どもたちが運動不足に…(※写真はイメージです)

「子どもが運動する時間がなくなっています」(東京都・主婦・40歳)

「外出を控えているので子ども、自分も運動不足になってしまいました」(千葉県・主婦・40歳)

学校にいれば、体育や音楽の授業が割りあてられ、定期的に体を動かしたり声を出したりできますが、家ではなかなか同じように対応はできません。
休日ですら、家族とレジャースポットへ出かけることも控えざるを得ない状況…。
子どもの運動不足を懸念する声が多発しています。

●学校だけでなく習い事もお休みに…

「毎日スポーツの習いごとに行っていたのですが、それも休みになってしまいました。外出が自粛のため、子どもの発散場所があまりないことに困っています」(滋賀県・アルバイト・38歳)

感染拡大を防止するため、習いごとや友だちとの遊ばせ方についても、それぞれの自治体や企業の判断に委ねられている場面が多く、子どもだけでなく大人も困惑を隠せない状況が少なくありません。

●子どもの学力に家庭差が出そう…


自宅だと勉強に集中できないと心配する親も多くいました(※写真はイメージです)

「子どもたちの自由時間が増え、テレビやマンガなどを見ながらダラダラしてしまっています」(岐阜県・会社員・40歳)

「子どものモチベーションが下がり、勉強は頭に入っているのか微妙な感じ…」(兵庫県・主婦・39歳)

「子どもたちがゲームやタブレットを見ている時間が増えてしまい、心配です」(神奈川県・アルバイト・42歳)

親がマンツーマンで熱心に勉強をみてあげられる家庭もあれば、子どもだけで自主学習となっている家庭もあります。この突然訪れた春休みの間に、学力面で大きな差がついてしまうのではないかと不安に思う声もありました。

●パワーを持て余している子どもたち。精神面の不安も

「体力をもてあまし、家でケンカばっかりしています」(神奈川県・アルバイト・35歳)

「姉と弟が喧嘩しがち。遊ぼうと言われ、家事をしながら一日じゅう相手をしないとだめで大変です」(岐阜県・主婦・37歳)

昨今の自粛ムードは、大人でさえ「コロナ鬱」とか「コロナ疲れ」といった言葉が登場しているほど。一見元気そうに見える子どもたちにとっても精神衛生上、休校がずっと続くことはあまりいいとは言えなさそうです。
まずは親たちが率先して、子どもと一緒に上手なストレス発散ができるといいかもしれませんね。

<取材・文/烏丸莉也>