夫が子どもをモニター監視。夫婦仲が悪く「やめて」と言えず…
家庭のお悩みは、パッと見ではひとつの問題に見えても、実際はタコの足のようにいくつもの問題があって、それらが絡まり合って八方ふさがりになっていることがあります。どうすれば1つ1つ解いていくことができるのでしょうか。
漫画家、エッセイストの瀧波ユカリさんに、読者から実際に寄せられたお悩みをズバリ解決してもらいました。
【お悩み】夫が子どもたちをモニター監視しています
わが家は狭く、夫、長女、長男が部屋を共有しています。問題は、夫がその部屋に音声つきのモニターを設置して、ほかの部屋からでも様子がわかるようにしていることです。子どもが勉強をサボっているとマイクで「こら!」と叱ることも…。
思春期の子どもたちが父親と川の字で寝ていることに不満を感じていたり、監視されていることが普通だと思い込んだりしているのではないかと心配です。私自身、夫への愛情は薄れ、コミュニケーションもほとんどありません。(東京都・47歳 夫48歳、長女17歳、長男15歳、二女11歳)
<瀧波さんからのアドバイス>夫に向かって堂々と叫べる自分になることから始めませんか。
このお悩み、「タコ足系」ですね。タコ足系とは、パッと見ではひとつの問題に見えても、実際はタコの足のようにいくつもの問題があって、それらが絡まり合って八方ふさがりになっているお悩みのことを言います(私の造語です)。
今回は「夫が子どもを監視している」という相談ですが、実際は以下の3つが絡まり合っています。
・自宅が狭い
・夫婦仲が悪い
・夫が子どもに過干渉
自宅が狭いことについて話し合いたくても夫婦仲が悪くて話せない。夫婦仲を改善したくても過干渉問題のせいで夫を信頼できない。過干渉を解決したくても自宅が狭い。このように絡まり合っているせいで、身動きが取れなくなっているんですね。
でも、ここで諦めず、ちょっと考えてみませんか。どうして家庭の問題がタコ足になってしまったのか? これは私の想像ですが、「おかしいよ!」って叫ぶことをずっと我慢してきたのではないでしょうか。いちばん下のお子さんが生まれたときにはすでに、いつか部屋がたりなくなることがわかっていたと思うんです。でも、どうするの? と思いつつ、ここまで来てしまった。夫婦仲も一気に冷え込んだのではなく、気になることがいろいろあったけど、ここまで来てしまった。過干渉についても同様。「この問題、どうするの?」「おかしいよ!」と叫ぶことを我慢して、避けてきた末のタコ足ではないかなと。
「おかしいよ!」って言えなかったあなたが悪い、と言いたいわけではありません。それを叫ぶことを諦めさせるような出来事が、きっとたくさんあったのでしょう。でも、だからこそ、言いたいことを言わずに生きる日々は終わらせなきゃいけないって私は思うんです。だって悔しいじゃないですか。わが子が不気味なやり方で夫に支配されているのを黙って見ているなんて、不本意じゃないですか。
監視によって、子どもに悪影響が…とか、そんなことは二の次。おかしいと思うなら、おかしいと叫んでいいのです。「子どもを監視するのをやめろ。家が狭いことを理由にするなら増築なり引っ越しなり検討しろ。私はずっとおかしいと思ってきた!」まずは夫に向かって堂々と叫べる自分になることから始めませんか。最初は小声でもいい。いきなり大声でもいい。景気づけに監視モニターをぶん投げてもいい。難しいならだれか親族を味方につけること。すべてはそこから。あなたは必ず変われます。
●教えてくれた人
【瀧波ユカリさん】
1980年、北海道生まれ。漫画家、エッセイスト。アニメ化もされた『臨死!! 江古田ちゃん』(講談社刊)でデビュー。著書に『30と40のあいだ』
(幻冬舎刊)『ありがとうって言えたなら』
(文藝春秋刊)など
漫画家、エッセイストの瀧波ユカリさんに、読者から実際に寄せられたお悩みをズバリ解決してもらいました。
言いたいことを言わずに生きる日々に終止符! おかしいと思うなら、おかしいと叫んでいい
わが家は狭く、夫、長女、長男が部屋を共有しています。問題は、夫がその部屋に音声つきのモニターを設置して、ほかの部屋からでも様子がわかるようにしていることです。子どもが勉強をサボっているとマイクで「こら!」と叱ることも…。
思春期の子どもたちが父親と川の字で寝ていることに不満を感じていたり、監視されていることが普通だと思い込んだりしているのではないかと心配です。私自身、夫への愛情は薄れ、コミュニケーションもほとんどありません。(東京都・47歳 夫48歳、長女17歳、長男15歳、二女11歳)
<瀧波さんからのアドバイス>夫に向かって堂々と叫べる自分になることから始めませんか。
このお悩み、「タコ足系」ですね。タコ足系とは、パッと見ではひとつの問題に見えても、実際はタコの足のようにいくつもの問題があって、それらが絡まり合って八方ふさがりになっているお悩みのことを言います(私の造語です)。
今回は「夫が子どもを監視している」という相談ですが、実際は以下の3つが絡まり合っています。
・自宅が狭い
・夫婦仲が悪い
・夫が子どもに過干渉
自宅が狭いことについて話し合いたくても夫婦仲が悪くて話せない。夫婦仲を改善したくても過干渉問題のせいで夫を信頼できない。過干渉を解決したくても自宅が狭い。このように絡まり合っているせいで、身動きが取れなくなっているんですね。
でも、ここで諦めず、ちょっと考えてみませんか。どうして家庭の問題がタコ足になってしまったのか? これは私の想像ですが、「おかしいよ!」って叫ぶことをずっと我慢してきたのではないでしょうか。いちばん下のお子さんが生まれたときにはすでに、いつか部屋がたりなくなることがわかっていたと思うんです。でも、どうするの? と思いつつ、ここまで来てしまった。夫婦仲も一気に冷え込んだのではなく、気になることがいろいろあったけど、ここまで来てしまった。過干渉についても同様。「この問題、どうするの?」「おかしいよ!」と叫ぶことを我慢して、避けてきた末のタコ足ではないかなと。
「おかしいよ!」って言えなかったあなたが悪い、と言いたいわけではありません。それを叫ぶことを諦めさせるような出来事が、きっとたくさんあったのでしょう。でも、だからこそ、言いたいことを言わずに生きる日々は終わらせなきゃいけないって私は思うんです。だって悔しいじゃないですか。わが子が不気味なやり方で夫に支配されているのを黙って見ているなんて、不本意じゃないですか。
監視によって、子どもに悪影響が…とか、そんなことは二の次。おかしいと思うなら、おかしいと叫んでいいのです。「子どもを監視するのをやめろ。家が狭いことを理由にするなら増築なり引っ越しなり検討しろ。私はずっとおかしいと思ってきた!」まずは夫に向かって堂々と叫べる自分になることから始めませんか。最初は小声でもいい。いきなり大声でもいい。景気づけに監視モニターをぶん投げてもいい。難しいならだれか親族を味方につけること。すべてはそこから。あなたは必ず変われます。
●教えてくれた人
【瀧波ユカリさん】
1980年、北海道生まれ。漫画家、エッセイスト。アニメ化もされた『臨死!! 江古田ちゃん』(講談社刊)でデビュー。著書に『30と40のあいだ』
(幻冬舎刊)『ありがとうって言えたなら』
(文藝春秋刊)など