関係会社のアドバンスト・マークも破産開始

 医療法人社団稜歩会(TDB企業コード:530391098、資本の総額0円、東京都新宿区西新宿6-5-1、理事長澤井循暉氏)と関係会社の(株)アドバンスト・マーク(TDB企業コード:967716661、資本金100万円、同所、代表瀬尻幹夫氏)は、2月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は窪田英一郎弁護士(東京都港区虎ノ門4-1-17、窪田法律事務所、電話03-6452-9280)。債権届け出期間は3月4日まで。

 医療法人社団稜歩会は、1992年(平成4年)7月に創業、97年(平成9年)4月に法人改組。「神戸神奈川アイクリニック」の名称で、東京・新宿と大阪・梅田の2カ所で眼科クリニックを運営していた。診療科目は屈折矯正手術(レーシック等)、遠近両用白内障手術、円錐角膜手術、一般眼科診療等で、なかでも患者ごとに合わせたカスタムメードで治療するアイレーシックを導入するなど、レーシック手術に強みを有していた。そうしたなか、2010年に破産手続き開始決定を受けた医療法人社団博美会(東京都、負債約68億円)から事業を譲り受けて業容を拡大。ピーク時には全国に9カ所のクリニックを運営していた。

 しかし、この間同業者で感染症が発覚した事例を受けてレーシック治療全般に対する風評が悪化。同業者との競合が激しさを増すなか、不採算クリニックの閉院や譲渡を行うなどスリム化を図り、近時は2カ所のみの運営となっていた。その後も、患者の減少から業績悪化に歯止めがかからず、事業継続が困難となり、2019年8月末で運営する2院を閉院していた。

 (株)アドバンスト・マークは、2009年(平成21年)10月に設立。医療関連に特化した経営コンサルティングを手がけていたが、医療法人社団稜歩会に連鎖する形で今回の措置となった。

 負債は医療法人社団稜歩会が債権者約7名に対し約10億円、(株)アドバンスト・マークが債権者約1名に対し約2500万円で、2社合計で約10億2500万円。