友邦紙管(株)(TDB企業コード:570076671、資本金1000万円、登記面=大阪府堺市西区築港浜寺西町7−24、代表清算人福田豊氏)は、1月31日に株主総会の決議により解散し、2月5日東京地裁へ特別清算を申請した。

 申請代理人は澤野正明弁護士、朝田規与至弁護士(東京都千代田区丸の内2-2-2丸の内三井ビル、シティユーワ法律事務所、電話03-6212-5500)ほか7名。

 当社は、1923年(大正12年)創業、57年(昭和32年)4月に法人改組した紙管製造業者。包装資材や印刷用紙・自動車用フィルム・液晶テレビ材料フィルムの芯などに使用される直径8ミリメートル〜200ミリメートル、長さ10ミリメートル〜5メートルまでの紙管や丸筒容器などを幅広く製造していた。長年の業歴のもと、得意先の仕様に合わせた受注生産を行い、包装資材業者や同業者に営業基盤を確立。自社製造が90%で、自社で製造できない大型の紙管については外注業者に委託していた。250社に及ぶ得意先から安定した受注を確保し、2001年3月期には年売上高約5億9900万円を計上していた。

 その後も安定した受注を確保していたものの、2017年3月に(株)イズミプロセス(静岡市清水区)が当社の全株式を取得し、福田豊氏が代表に就任すると経営体制は激変。同社グループ会社とのシナジー効果を目指した経営に移行して積極的にM&Aを実施、有利子負債は年商を大きく上回るまでに膨張していた。

 M&Aによってグループ会社数が増加するなか、2018年9月には取引先への支払いが滞る事態が発生し、取引金融機関に対しては借入金の返済猶予を要請。その後、当社を含めたグループ会社で40億円超の借入金があることが発覚し、グループ間での不明瞭な資金の動きが指摘されていた。このため、代表自宅には複数の金融機関から仮差押えが登記される事態となり、一部グループ会社は倒産や事業停止を余儀なくされていた。2018年11月以降は私的整理を目指して金融機関と協議を重ねていたが進展を見せず、2019年4月には当社も事業を停止。その後は本社不動産などの資産売却を進め、2019年12月17日には(株)イズミプロセスなど4社が東京地裁へ特別清算を申請するなどグループ全体として債務整理を進めるなか、当社も同様に清算を進めることとなった。