XFN-ASIAによると、米投資銀行大手ゴールドマン・サックスが、中国4大国有商業銀行の一つ、中国工商銀行（ICBC）の150億ドル（約1兆7800億円）規模のIPO（新規株式公開）をめぐり、利益相反の懸念があるとして、中国政府により、引受幹事候補から外された模様だ。英紙フィナンシャル・タイムズが政府関係者の話として10日付で伝えた。

　　それによると、ICBCは、26億ドルを投じてICBCの株式7％を取得したゴールドマンと関係を継続させたいとしたものの、政府から同社を除外するよう命じられたとしている。この結果、ICBCのIPOの引受幹事には、中国の国内企業2社に加え、米メリルリンチ、クレディ・スイス、ドイツ銀行が選ばれ、3億ドル（約356億円）の手数料を分け合うことになる。

　　ゴールドマンは、中国4大国有商業銀行の一つ、中国銀行（BOC）の5−10億ドル規模のIPO（新規株式公開）の引受幹事にスイスの金融グループUBSなどと共に選定されており、また、ICBCの株式を保有していることから、政府関係者や同業他社から、利害問題が生じると懸念されていた。【了】