数々の話題作でさまざまな役柄を演じ、実力派俳優としてスクリーンで存在感を放つ松坂桃李。そんな彼が出演したおすすめ映画をまとめてご紹介。

松坂桃李 プロフィール

松坂桃李は1988年10月17日生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身。身長183cm。

オーディションを経て、メンズファッション誌「FINEBOYS」のモデルとして芸能活動を開始。2009年、TVドラマ「スーパー戦隊シリーズ」の第33作『侍戦隊シンケンジャー』で俳優デビューを果たし、同作の劇場版で映画初出演・初主演を飾る。

2011年、TVドラマ『怪盗ロワイヤル』でドラマ単独初主演、2012年にはNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』に出演。

2011年『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』、2012年『ツナグ』『今日、恋をはじめます』の3作品で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、若手演技派俳優としての存在感を強めていく。

2015年にはTVドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』『視覚探偵 日暮旅人』で主演を務め、映画では2015年『マエストロ!』、2017年『キセキ あの日のソビト』、2018年『不能犯』『娼年』など、話題作で主演を重ねる。

2018年の『孤狼の血』で、第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。2019年には『居眠り磐音』『新聞記者』で主演を務め、4人の若手俳優が名を連ねる『蜜蜂と遠雷』に出演。

『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』(2009)

特撮ヒーロー番組「スーパー戦隊シリーズ」の33作目である『侍戦隊シンケンジャー』の劇場版作品。脂目マンプク率いる妖怪たちの集団“クサレ外道衆”と闘う5人の若き侍たちの姿を描く。

TVドラマ版に続き主演を務めた松坂桃李は、志葉丈瑠を演じ、シンケンジャーのリーダーであるシンケンレッドの声を担当。本作が映画初出演・初主演作品となる。人見知りで影があるが、仲間をまとめあげるカリスマ的存在の主人公を演じ、人気を博した。

『アントキノイノチ』(2011)

シンガーソングライター・さだまさしの同名小説を、瀬々敬久監督がメガホンをとり実写映画化。心に傷を負った男女が、遺品整理業の現場で出会い、心を通わせながら再生していく姿を描いたヒューマンドラマ。

松坂桃李は、岡田将生演じる主人公・永島杏平の高校時代の同級生、松井新太郎を演じた。高校時代は杏平とともに山岳部に所属しており、見かけは明るい人気者だが、心の奥に悪意を隠し持つ偽善者という役どころ。部員へいじめを加える一方で、心の弱さも持っているという複雑な人間性を見事に表現した。

『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』(2011)

ベストセラー作家・東野圭吾による「加賀恭一郎シリーズ」の第9作目を実写映画化。2010年に連続ドラマ化され、以降も本作を含め単発ドラマや映画で続編が公開されている人気シリーズ。監督は『いま、会いにゆきます』『涙そうそう』などの土井裕泰が務めた。東京・日本橋を舞台に、阿部寛演じる刑事・加賀恭一郎が、事件にかかわる人の思いを紐解きながら捜査を進めていく。

松坂桃李は、日本橋で腹部を刺されて死亡した男性の息子・青柳悠人を演じた。中学時代は水泳部に所属しており、父親の死の真相に近づくにつれ、複雑な胸の内が明かされていく。心の葛藤を表現した繊細な演技に注目したい。

『僕たちは世界を変えることができない。But,we wanna build a school in Cambodia.』(2011)

葉田甲太の体験記を、『同じ月を見ている』などの深作健太監督が映画化。気ままで平和な日常を送る医大生が、カンボジアに学校を建てるために奮起する姿を描く。カンボジアの非情な現実をドキュメンタリータッチでリアルに映し出し、話題を呼んだ。主演の向井理を筆頭に、柄本佑、窪田正孝らといった豪華若手俳優の顔ぶれも見どころ。

松坂桃李が演じたのは、金髪の派手な外見で、遊び好きの学生・本田充。田中甲太(向井理)と偶然出会い、学校建設のボランティア活動に励むようになる。ノリが良くチャラチャラした性格だが、その社交性と行動力でボランティア活動に一役買う。学校建設のためにがむしゃらに努力する姿を熱演した。

『ツナグ』(2012)

直木賞作家・辻村美月の同名ベストセラー小説を実写映画化。『ROOKIES -卒業-』『僕だけがいない街』などの平川雄一朗が監督・脚本を手掛けた。死者との再会を仲介する「ツナグ」を務める高校生が、依頼人との出会いや別れを通して成長していく姿を描く、心温まるファンタジー・ヒューマンドラマ。

本作が長編映画の単独初主演である松坂桃李は、主人公の渋谷歩美を演じた。祖母のアイ子(樹木希林)から「ツナグ」の役割を引き継ぐ中で、次第に自分の行動に疑問を抱き、葛藤を抱えるようになる。

悩みながらも答えを探し、成長する高校生を熱演した。松坂桃李は本作で日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞、日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞した。

『今日、恋をはじめます』(2012)

水波風南の同名人気コミックを、『Another アナザー』などの古澤健監督が実写映画化。真面目で地味な堅物女子高生と、学内一のイケメンとの恋模様を描いた青春ラブストーリー。12のアーティストが参加したテーマソングも話題に。

武井咲とダブル主演を務めた松坂桃李は、成績トップでイケメンのモテ男・椿京汰を演じた。本作が初の恋愛映画となった松坂は、持ち前のルックスを存分に活かし、イケメン男子高校生を好演した。

『マエストロ!』(2015)

さそうあきらの人気コミックを、『毎日かあさん』などの小林聖太郎がメガホンをとり実写映画化。不況の影響で解散したオーケストラの再結成を、若きコンサートマスターと、破天荒な謎の中年指揮者の交流を中心に描く。

主演を務めた松坂桃李は、バイオリニストの香坂真一を演じた。オーケストラの再結成に奮闘しつつも、謎の指揮者・天道徹三郎(西田敏行)のある事実を知り、反発心を強めてしまう。音楽への情熱と、クラシックならではの品の良さをまとわせ、複雑な心境を持つ役どころを見事に演じきった。バイオリンの演奏シーンも見どころ。

『ピースオブケイク』(2015)

ジョージ朝倉による同名大人気コミックを、名バイプレイヤーとして名を馳せる田口トモロヲがメガホンをとり実写映画化。仕事も恋愛も流されるまま、何となく生きてきた女性が、心機一転あらゆる状況を変えて幸せになろうと奮闘するラブストーリー。

松坂桃李は、ヒロイン・梅宮志乃(多部未華子)の友人・天ちゃんを演じた。自身が働くレンタルビデオ店のアルバイトを志乃に紹介し、菅原京志郎(綾野剛)と志乃を引き合わせることとなる。“オネエ”で乙女的な性格であり、志乃とガールズトークを繰り広げ、恋のアドバイスもする。女性らしい仕草や話し方もみせ、個性的なキャラを熱演した。

『キセキ あの日のソビト』(2017)

人気音楽グループGReeeeNの代表曲「キセキ」の誕生秘話を実写映画化。是枝裕和監督作品で助監督を務めた兼重淳がメガホンをとり、感動の青春ムービーに仕上げた。医師で厳格な父の反対を押し切り音楽への道を進んだジンは、仲間と衝突し音楽に挫折。弟ヒデとその仲間たちに音楽の夢を託す。

松坂桃李は、本作が4度目の共演である菅田将暉とダブル主演を務め、メタルバンドのボーカルを経て、GReeeeNのプロデューサーを手掛けるジンを演じた。挫折を味わい葛藤を抱えながらも、弟ヒデ(菅田将暉)と仲間たちの夢のために奔走する、熱い姿が印象的。緑色の髪に口ひげを生やし、ピアスにタトゥーというワイルドなビジュアルで挑み、劇中では歌声も披露した。

『不能犯』(2018)

「グランドジャンプ」連載の同名人気コミックを、『ある優しき殺人者の記録』『貞子vs伽椰子』などホラー作品を多数手掛ける白石晃士監督が実写映画化。思い込みやマインドコントロールでターゲットを死に追いやる男性と、彼を追う女性刑事・多田友子(沢尻エリカ)の対峙を描いたサスペンススリラー。

主演の松坂桃李は、依頼を受けて殺人を犯す男性、宇相吹正を演じた。経歴不詳で謎に包まれ、目つきや佇まい、笑い方など、不気味ながらも妖艶な魅力を放つダークヒーローを怪演し、存在感を示した。

『娼年』(2018)

石田衣良の同名小説を映画化。2015年に三浦大輔演出・脚本、松坂桃李主演で舞台化され大きな話題を呼び、再びタッグを組んで実写映画化された。無気力な毎日を送る大学生が娼夫となり、さまざまな相手との関係を通して成長していく。美しくも過激な性描写と、人間の欲望を描いた衝撃作。

主演を務めた松坂桃李は、バイトに明け暮れる大学生・森中領を熱演。御堂静香(真飛聖)がオーナーを務める会員制ボーイズクラブで娼夫として働き始める。客の心を開き、傷を癒し、自分自身もやりがいを見出していく。舞台に続いて本作でも体当たりの演技をみせ、強烈なインパクトを放った。

『孤狼の血』(2018)

“警察小説×仁義なき戦い”と評される柚月裕子の同名小説を、『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』などの白石和彌がメガホンをとり、実写映画化。昭和63年、暴力団対策法施行直前の広島を舞台に、激化する暴力団同士の抗争と、それを追う刑事たちの姿を描く。小説のシリーズ第2作目『凶犬の眼』を原作とする、続編の製作が予定されている。

松坂桃李が演じたのは、新人のエリート刑事・日岡秀一。手段を選ばず型破りな捜査を進めるベテラン刑事・大上章吾(役所広司)とバディを組む。自分なりの正義感で大上と向き合い、事件解決への執念を見せる役どころで、新境地を開拓した。本作で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ、数々の賞を受賞。

『居眠り磐音』(2019)

累計発行部数2,000万部を超える佐伯泰英の時代小説シリーズを、「超高速!参勤交代」シリーズ、『空飛ぶタイヤ』などの本木克英が監督を務め、実写映画化。悲しい過去を抱えた剣の達人が、とある陰謀に巻き込まれ、悪を処罰すべく立ち上がる。

主演を務めた松坂桃李は、剣の達人である坂崎磐音を演じた。普段は優しく穏やかな人柄で、人望も厚い。内に秘めた強さと正しさで颯爽と悪を切る姿を熱演。鮮やかな殺陣も披露し、原作の世界観を見事に再現した。

『新聞記者』(2019)

東京新聞記者・望月衣塑子の同名ノンフィクションを原案に、『青の帰り道』『デイアンドナイト』などで頭角を現す新進気鋭の監督・藤井道人がメガホンをとり実写映画化。国家の闇を追う若手女性記者と、若手エリート官僚の対峙と葛藤を描く、重厚で骨太な社会派ドラマ。

松坂桃李は、韓国の実力派女優シム・ウンギョンとダブル主演を務め、エリート官僚の杉原拓海を演じた。「国民に尽くす」という信念を持ちながら、政権に不都合なニュースをコントロールする任務に就き、理想と現実の間でもがき葛藤するという難しい役どころ。突きつけられる選択に苦悩し、揺れ動く心情を見事に表現した。

『蜜蜂と遠雷』(2019)

直木賞と本屋大賞のダブル受賞を成し遂げ話題を呼んだ、恩田陸の同名小説を実写映画化。『愚行録』などの石川慶が監督・脚本を務め、恩田から「映像化は無謀」とまで言われた本作に挑んだ。

世界最高峰のピアノコンクールを舞台に、4人の若者たちの葛藤と成長、運命を描いた青春群像劇。主演の松岡茉優を筆頭に、松坂桃李、森崎ウィン、新人の鈴鹿央士の4人が若き天才ピアニストを熱演する。

松坂桃李が演じたのは、楽器店勤務のサラリーマン・高島明石。妻子がおり年齢制限ギリギリのため、最後の挑戦と決意してコンクールに臨む。社会人ピアニストならではの人間味あふれる音楽を奏で、大いなる覚悟を持って挑む熱い姿を好演している。

【文/ココネコ】

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