社民党の辻元清美議員が8日、衆院予算委員会で質問に立ち、靖国問題をテーマに、議員辞職以来4年ぶりに小泉純一郎首相と“対決”した。

 靖国参拝に関して、辻元議員は中韓だけでなく、シンガポールの首相も批判していると指摘、「中国、韓国しか非難していないじゃないかという認識ならば、国際情勢を読み誤っているのではないか」と首相の見解をただした。対して小泉首相は「見誤っているのは、批判している方々ではないか。(アジアの中で)孤立など全然していない。現にシンガポールの首相と会談しているが、批判されたことはない」と語った。

 また、辻元氏が「今でも中国では、旧日本軍が放置した毒ガスによる事故が起きている。戦後の傷が癒えていない。心の問題が原因になって、紛争などにつながっていく」と迫ると、小泉首相は「日本人の心の問題を考えたことはないのか。精神の自由は、日本人も大事だし、中国人も大事だ」と反論した。

 このほか、辻元議員は、日本兵や米兵、戦闘員、非戦闘員関係なく追悼している沖縄の平和の礎を例に挙げ、「靖国神社に祀られているのは軍人だけだ。国籍も問わない施設があることは世界に誇れること」と述べ、同様の追悼施設の建設を提案した。

 これに対し、小泉首相は「今後検討してもいい課題ではないかな、と思っている」との考えを示したものの、「かといって、靖国神社に参拝してはいけない、ということにはならない」と強調した。【了】

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