「れいわ新選組」の山本太郎代表

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山本太郎」のもはや笑えない「集金力30億円」(2/2)

「次は衆院」「立候補者100人」とぶち上げ、そして「首相を目指す」と宣言するれいわ新選組の山本太郎代表(44)。党勢の大幅な拡大と桁違いの資金獲得を見込める解散総選挙は、山本代表にとってチャンスというわけである。12月の投開票が囁かれるが、実際、れいわは来る総選挙でどれくらい取りそうなのか。

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 選挙プランナーに分析を願うと、

「衆院の比例代表では、全国で11あるブロックで多少の誤差はあるものの、およそ30万票の得票数で1議席が各党に割り振られる形になっています。れいわは効率的に議席数を積み増すために、選挙区よりも比例代表に力を傾注するでしょう。また選挙区では、今回の参院選でれいわの得票率が際立った東京(7・9%)、沖縄(7・3%)、神奈川(5・7%)、京都(4・7%)、つまり大都市部と革新系の比較的強い地域に注力するはずです。山本さん本人は最も得票を見込める東京都市部の選挙区で出るけれど、比例重複はしないと見ています。比例重複だと、彼のウリだった“背水の陣”感、“不退転の決意”感が薄れてしまいかねない。れいわが上手く成長すれば、次回の衆院選で比例8、更に山本さんを含め小選挙区で数名の候補者を当選させることができて、2桁に手が届きそうです」

「れいわ新選組」の山本太郎代表

 れいわの事情に明るいさる代議士は、今後の戦略について、

「れいわを立ち上げるまで行動を共にしてきた小沢さん(一郎・国民民主総合選対本部長相談役)とはケンカ別れしたわけではなく、うまくやっていますよ。『野党共闘』が持論の小沢さんの言うことも袖にするつもりはない。具体的には、都市部はガッチリ立てるけれど、地方ではそういうことじゃなく、野党で協力して行くつもりです。れいわは『消費税ゼロ』を政策として主張してきましたね。でも既に、より共闘のハードルが低い『消費税5%』を条件にするようになりました」

 と打ち明ける。

 政権幹部のひとりは一連のれいわの風について、

「しばらくはメディアも視聴率が取れるから流しちゃうんだろうけど、実際にどうなの? と言われれば、さほど大きな動きにはならないんじゃないかな、とは思っています」

 と傍観の体ではあるが、こんな風にも口にする。

「ただ、決して馬鹿にしているわけではなくて、警戒はしています。なんて言ったらいいんだろうな……。れいわブームは山本さんご本人の能力ではないというのはわかっている。ただ、俳優だから演じ方がうまいんでね。演説も非常に聞き応えがあるし、候補者の選び方などは新しい。でも、演説の中身は全くなく、ポピュリズムそのもの。だから、怖いところがあるんですよね。やはり都市部で、東京1区とかに出ちゃうと(山本の当選が)あり得るかもしれないね」

過去のスキャンダルを

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「安倍政権の政策は『大強富』で、大きく強いもの、富めるものを、より大きく、強く、富ませてトリクルダウンの効果を狙うもの。したがって、野党である立憲や国民民主は、その反対、『小弱貧』をターゲットにしないといけなかったんです。でも、両党とも支持母体は連合。つまり、『小弱貧』にフォーカスしきれなかった。れいわは、既成の野党に飽き、期待感を持てなかった人たちの受け皿になる可能性があります」

 と評価する。

「れいわの命脈は、山本氏の人気やカリスマ性がどのくらい維持できるかにかかっている。れいわは左派ポピュリズムの政党だとよく言われていて、掲げている公約の実現可能性は決して高いとは言えません。しかし、社会的弱者や貧困層にとっては、ある種の期待感を抱ける政策ではあります」

 と分析し、こう予想する。

「細川護煕代表率いる日本新党は1992年7月の参院選の2カ月前に結党しました。その時の当選者はわずか4人。しかし“殿様ブーム”に乗り、翌年の衆院選で35人の大量当選を果たしている。日本新党と同じく、代表の人気やカリスマ性に大きく依拠するれいわは、このままの勢いを保てれば、日本新党と同じくらい、次の総選挙で議席を取る可能性はある。安倍政権を支持する人たちにも、社会的に弱い立場の方たちはいますから、彼らがれいわにシンパシーを抱くことも否定できないですよね」(同)

 日本新党の細川代表はそのあと非自民連立政権で首相の座を射止めた。その意味では不気味な予言にも、ある種の警告にも聞こえるのだが、ともあれ伊藤氏はこう釘を刺すことも忘れない。

「山本氏はこれだけ注目を集めていますから、今後、過去の言動やスキャンダル(隠し子報道)を掘り起こされる恐れがあります。彼がそれにどれくらい耐えられるかで、選挙の行方が決まると思います」

 週刊新潮8月8日号でも触れた通り、山本代表は「3・11」後の風評被害に苦しむ福島の人々の心を踏みにじるような発言を重ねてきた。その事実が帯びる負のオーラは、れいわが大きくなればなるだけ、れいわを包んでいくことだろう。

 れいわ旋風が解散風を煽り、改憲のうねりを生む。その時れいわに残るのは、政治(家)かカネか。あるいは両方か、はたまたその欠片もないのだろうか。

「週刊新潮」2019年8月15・22日号 掲載