CBS MarketWatchによると、2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の3月物は、IAEA（国際原子力機関）のエルバラダイ事務局長が同日、イランの核開発再開問題について、「危機的な状況にない」と発言したことから、イランに対する早期経済制裁への警戒感が和らぎ、需給逼迫（ひっぱく）懸念が後退して売られ、一時、1月13日ぶりの安値となる1バレル＝64.40ドルまで下げた後、前日比1.88ドル（2.8％）安の1バレル＝64.68ドルと続落して引けた。

　　ガソリン先物は、同6.32セント（3.7％）安の1ガロン＝1.6656ドルと続落、暖房油も、同5.32セント安の1ガロン＝1.7708ドルと続落した。米エネルギー省が前日発表した1月27日までの週の週間石油在庫統計で、原油在庫とガソリン在庫が増加したことも引き続き材料視された。

　　IAEAは2日、緊急理事会を開き、イランの核開発再開問題の国連安全保障理事会への付託について協議した。エルバラダイ事務局長は、同問題について、「重要な局面にあるが、危機的状況ではない。（同問題は）信頼関係の構築の問題であって、差し迫った脅威ではない」との見方を示した。緊急理事会は同日、決議には至らず、3日に引き続き協議を行う。

　　天然ガスは、米エネルギー省が同日発表した、1月27日までの週の天然ガスの週間在庫が、前週比880億立方フィートの減少となったものの、減少幅が市場予想を下回ったことから需要逼迫（ひっぱく）懸念が後退して売られ、一時100万Btu＝8.15ドルまで下げた後、昨年6月以来の安値となる、同37.6セント安の100万Btu＝8.347ドルで引けた。【了】