「うまいポテサラが食べたい」が生み出したグルメアプリの中身
「“食”は数億人にリーチできる。小さなベンチャーが社会を変えるインパクトがある」と高橋社長は説明する。既存のグルメサイトはお店の評価が高くても、一品一品の料理がおいしいかどうかはわからない。そもそも「一人ひとり好みが違うのに、一つのランキングで判断するのはおかしい」と指摘する。
課題は料理メニューは数が多く、変化も早い点だ。お店に比べて数十倍広いデータ空間をユーザーの投稿で埋めていくことになる。結果は出ている。月間アクティブユーザー数は17年4月が11万4738人で18年4月は20万3925人、19年4月は51万8127人と倍々ペースで増えている。グルメ投稿は46万件を超えた。
データは宝の山
背景にはSNSの浸透で学生などの若い世代も食事にお金をかけるようになったことがある。「SNSに洋服をアップするのはおしゃれを競うようで勇気がいる。ごはんなら、いいものをさりげなくアピールできる」。こうした投稿データは食品産業にとっては宝の山だ。飲食は牛丼やラーメンのような大きなブームの陰に小さなブームがいくつもある。SARAHでは18年にスリランカカレーの投稿が前年同期比771%、麻婆麺が271%、ほうじ茶が178%に増えた。また唐揚げでは「でかい」や「たくさん」という単語が評価と相関していた。小さなトレンドや、トレンドを支えるキーワードを捉えてマーケティングに生かせる。
ユーザー拡大
データを外販するフードデータバンク事業を立ち上げ、三井物産やハウス食品などから約2億5000万円を調達した。現在の累計調達額は約4億6000万円で「1年内に大型資金を調達する」計画だ。ユーザー拡大に向けて攻勢をかける。グルメアプリは大小さまざまな事業者がしのぎを削る。食のスタンダードを巡る戦いに新風を巻き起こせるか。(文=小寺貴之)
