27日放送、日本テレビ「NEWS ZERO」では、ジャカルタ・アジア大会で金メダルを獲得した渡部香生子の復活劇を紹介。3年間の苦悩と、復活を裏で支えた同級生の存在を伝えた。

中学3年だった2011年のジャパンオープンで全国大会優勝を果たし、一躍脚光を浴びた渡部は、2015年に弱冠18歳で世界選手権優勝。200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した。

当時、キャスター・櫻井翔とのインタビューで、渡部は「水泳を本当の意味で楽しめている」と充実ぶりを口にしている。

だが、期待されたリオデジャネイロ五輪では、まさかの準決勝敗退。レース後のインタビューで涙を流した渡部は、翌年に足首のケガもあって日本代表落選。「好きなことなのに、全然楽しくない」「辞めたほうが楽になると思っていた」と、引退も頭をよぎったと明かした。

そんな渡部を救ったのは、同じ早稲田大学の同級生で、200メートル平泳ぎの世界記録保持者でもある渡辺一平だ。練習を楽しむ空気をつくり出す一方で、渡部が悩んでいた時に「練習中も精一杯頑張っているように見えない」「逃げていると思う」と、厳しく苦言を呈すこともあったという。

渡部は「近くから見ていて(厳しいことを)言ってくれる人の存在はありがたい」と感謝。改めて水泳と向き合い、キック力や下半身の強化など練習への取り組み方も変えていった。渡部は「今までとは違った、新たな自分でできている」「新鮮で(水泳を)楽しめている」と話している。

そして迎えたアジア大会、渡部はキック力強化の成果を発揮し、終盤に逆転して優勝。3年間の苦悩を経ての金メダルに、渡部は「結果があまり出ずに苦しんだことも多かったですけど、久しぶりに優勝もできましたし、うれしかった」と述べた。

かつてインタビューした櫻井は、水泳が個人競技であるにもかかわらず、「チーム全体で戦っている印象」があるとコメント。ともに戦う仲間だからこそ、渡辺の言葉は渡部に響いたのではないかとし、2年後の東京五輪での活躍に期待を寄せた。