自分では気づきにくい「ひどい口臭」を検知する高性能センサーが開発される
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by Joshua Miller
自分の口臭が普通なのかそれとも臭いのか、自分でははなかなかわからないものです。そんな自覚しにくい口臭を検知する、高性能なセンサーを韓国とアメリカの科学者が共同で開発しました。
Sub-Parts-per-Million Hydrogen Sulfide Colorimetric Sensor: Lead Acetate Anchored Nanofibers toward Halitosis Diagnosis - Analytical Chemistry (ACS Publications)
Sensor Detects Bad Breath, So Your Date Doesn't Have To - Geek.com
https://www.geek.com/science/sensor-detects-bad-breath-so-your-date-doesnt-have-to-1742376/
アメリカ歯科医師協会によれば、実に成人している人のうち半数以上が口臭に苦しんでいるそうです。歯周病や細菌感染、虫歯といった病気の原因になることもある口臭ですが、自分で自分の口臭がどれくらい臭いのかを判断することは難しく、周囲もデリケートな問題なため、わざわざ「口が臭いですよ」と指摘してくれることはめったにありません。自分でも気づくくらいに口臭がひどくなってから自覚するか、親しい人が「最近口臭が気になりますよ」と指摘してくれるまで、自分の口臭による被害は拡大してしまいます。
歯科医師が患者の口臭を客観的に測定しようと思っても、口臭の原因である硫化水素ガスが人間の呼気に含まれる割合は非常に微量であり、従来の硫化水素センサーでは正確で客観的な測定ができなかったそうです。そこで、韓国科学技術院のキム・イルドゥ准教授らの研究チームは、口臭の原因である硫化水素ガスを人間の呼気から検知する高性能なセンサーを開発しました。
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by Paulina Kim Joo
硫化水素ガスを検知することができる既存のセンサーは電源を必要とする上に、検知前にセンサーの目盛りを厳密に基準値に合わせなければならず、加えて微量の硫化水素ガスを必ずしも検知できるとは限らなかったとのこと。そこでキム氏らは、手軽に口臭をチェックできるセンサーを開発することに決め、硫化水素ガスを検知するために、硫化水素と反応を起こす酢酸鉛(II)を使用することにしました。
酢酸鉛は硫化水素ガスと反応し、無色だった結晶を褐色に変化させるのでこの反応を使うことをキム氏は思いつきましたが、酢酸鉛単体では口臭に含まれるわずか2ppm以下の硫化水素ガスを検知できるほど敏感ではありません。この問題を解決するため、キム氏らは酢酸鉛を3Dナノファイバーで構成した網に固定し、網に固定された酢酸鉛がどれくらい硫化水素ガスと反応したかを示す目盛りを設置することで、口臭に含まれる硫化水素ガスの量を検知可能にしました。
その結果、網のセンサー表面における色の移り変わりを監視することで、400ppb(0.4ppm)という呼気に含まれる微量の硫化水素ガスを肉眼で検知することが可能になったとのこと。研究チームは「手軽に患者の口臭をチェック可能なポータブルセンサーを開発し、安価な口臭チェックを望む歯科医師たちに販売するつもりだ」としています。
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by Tim McCune