錦織圭【写真:Getty Images】

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スペイン紙が直撃「東京五輪金メダルとグランドスラム優勝、どっちを選ぶ?」

 テニスの全仏オープンは1日、男子シングルス3回戦で世界ランク21位の錦織圭(日清食品)が同65位ジル・シモン(フランス)を6-3、6-1、6-3のストレート勝ちを収めた。完全復活を目指している日本のエースはスペイン紙に対し、「東京五輪金メダル」と「グランドスラム優勝」という“究極の二択”について思いを吐露している。

「ムンド・デポルティーボ」紙のインタビューに応じた錦織。昨季後半戦は右手首の故障で長期離脱を余儀なくされたが、今年1月に復帰。今大会で16強入りを果たし、完全復活へ一歩ずつ歩みを進めている。

 今年の目標について質問された28歳は「すべての試合が自分にとっては挑戦です。今年はどこかのタイミングでトップ10に戻りたいと思っています。しかし、怪我の後からゆっくりと復帰してきました。トップ10まで少しずつ戻れるように頑張りたい」と語ったという。

 世界ランク最高4位まで上り詰めたが、現在21位。今季はまず世界10傑に返り咲くことを念頭に置いている。そして、16年リオデジャネイロ五輪銅メダルに輝いた日本のエースは20年東京五輪についても、熱い思いを明かしている。

「もちろん、20年東京五輪については心の中にあります。最高のスポーツイベントでもある五輪の試合を母国でプレーできるのは素晴らしい機会。母国の観客の前でプレーすることもいいですね。リオの3位決定戦でラファに勝ち、メダルを獲得できたのは最高の経験でした。あそこまでの成功を成し遂げるにはたくさんのこともあります。でも、東京で活躍できると願っています」

“究極の二択”に回答「どちらかを選ぶのは本当に難しいことです。でも…」

 そして、究極の二択が待っていた。「もしも、1つしか選べないとしたら、20年東京五輪の金メダルとグランドスラム優勝、どちらを選びますか?」。どちらもアスリートとして最高の栄誉だが、いったい――。

 錦織は「それは比較できませんよ。どちらかを選ぶのは本当に難しいことです」と前置きしながら、「でも、グランドスラムが僕の夢かもしれません。その2つは完全に別物ですから」と語ったという。

 14年全米オープン準優勝を果たした。当時無敵のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を準決勝で下したが、決勝でマリン・チリッチ(クロアチア)に敗戦。錦織にとってはグランドスラムがより「夢」に近いのかもしれない。

「どのグランドスラムで優勝したいか? どこでもいいですが、オーストラリアが落ち着きますね。多くの観客がサポートしてくれるので」

 2月にメルボルンで行われる全豪オープンでの戴冠を夢見た錦織。12、15、16年で8強入りを果たしており、最もコンスタントに結果を出している大会だ。

 完全復活間近の錦織は全仏でも4回戦で世界ランク8位のドミニク・ティエム(オーストリア)と対戦する。上昇一途の男は、4大大会制覇の悲願を叶えることができるだろうか。(THE ANSWER編集部)