【MLB】大谷が「球宴にいない理由はない」 米コラムニスト絶賛「もっと見たい選手」
開幕から投打で強烈インパクト「もっと彼を見たいと思わせてくれた」
開幕から圧巻のパフォーマンスを見せ、メジャーの話題の中心となっているエンゼルスの大谷翔平投手。ここまで打者としては16試合出場で打率.339、4本塁打、14打点、OPS(出塁率+長打率)1.018と圧巻の成績。投手でも、4試合登板で2勝1敗、防御率4.43、20回1/3、26奪三振ながら、4月24日(日本時間25日)の敵地アストロズ戦では先発投手として今季メジャー最速の101マイル(約163キロ)をマークするなど、強烈なインパクトを残している。
6日(日本時間7日)の敵地マリナーズ戦では、今季5度目の先発登板に臨む予定。左足首の捻挫もあったため、アストロズ戦から中11日での登板となる。2010年のサイ・ヤング賞右腕フェリックス・ヘルナンデスとの投手戦に期待が高まるが、米国ではオールスターのファン投票開始間近とあって、早くも二刀流右腕が出場することになるのか、注目が集まっている。5度目の先発登板で好投すれば、投打両方での選出を望む声が出てくる可能性もありそうだ。米ヤフースポーツのコラムニストも「オールスターにいない理由はない」と話している。
ここまで大谷の鮮烈な活躍について、ヤフースポーツのティム・ブラウン氏は「正直、もっと彼を見たいと思わせてくれた。マウンドでも、打席でも」と絶賛する。メジャーへの適応段階だったオープン戦では、投手として防御率27.00、打者として打率.125と苦戦したが、同氏は「スプリングトレーニングで見た彼の運動能力から、いつかは適応して活躍すると考えていた」という。「彼のパワーは特別なもので、球速もすごい」。投打両方の高い能力に太鼓判を押す。
メジャーを長年見てきた球界関係者、メディア関係者を驚かせているのは、その運動能力だ。かつて、メジャーにはアメフトとの二刀流で活躍したボー・ジャクソンというスター選手がいた。ブラウン氏は「少し2人は違う。フットボールはスポーツ自体が違う」としながら、大谷のポテンシャルを絶賛する。
「投手としても、打者としても、リーグの中で上位の選手」
「前から言ってきたが、オオタニは今まで見た選手の中で最も運動神経がいいとも言える。スピード、パワー、打つ能力、投げる能力、とても独特だ。最も独特な能力を持っていると言える」
圧倒的な身体能力を持った猛者が集まるメジャーの中でも際立つ「運動神経」。投打に加え、走塁時の驚異的なスピードにも称賛の声が集まるなど、評価は上がり続けている。
では、7月17日(同18日)にワシントンのナショナルズ・パークで開催されるオールスターへの出場は可能なのか。ブラウン氏は「まだあと2か月あるが、今のところ、彼はオールスター級の選手であることを証明している」と言う。
「彼はピッチャーとしても、バッターとしても、リーグの中で上位の選手である。まだまだシーズン序盤であり、また少し時間が経ったら考え直さなければならないが、オールスターはリーグの上位の選手が出場する試合で、彼は間違いなくリーグの中で好奇心を持たれている選手である。彼をワシントンD.C.でファンに見てもらう。それは特別なことだと思う。だが、彼は常に健康でいなければいけない。ここから登板を重ね、打席を重ねていければ、オールスターにいない理由はない」
負傷することなく、順調に出場を続けていれば、オールスターに出ないわけがない、というのが同氏の見解だ。米国のオールスターは、打者はファン投票、投手はすべて監督推薦で決まる。ここまでの成績や話題性から見ても「DH・大谷」に票が集まる可能性は高く、さらに投手としても選出されるようなことがあれば、まさに快挙となる。
「ここからは、対戦相手が研究をしてくるし、もしピッチャーとして活躍したければ制球に注意しなければならない。だが、ここまではとても驚いている。マメが影響したのは残念だが、すごいと思うのは、彼は毎日打席に立っているわけではないのに結果を残しているところ。そこがすごいところだ」
米球界に広がる二刀流の衝撃。大谷がオールスターに出場すれば、メジャーに新たな歴史が刻まれることになる。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)