スポーツ・レジャー用品向け機能性素材市場(画像: 富士経済の発表し利用より)

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 富士経済は27日、東京五輪開催などに向けて市場拡大が予想されるスポーツ・レジャー用品向け機能性素材市場の調査結果を発表した。素材メーカー各社の開発動向や、主要スポーツで使用される用品・用具、機能性素材のトレンドなどをまとめている。

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■調査結果の概要

 スポーツ・レジャー用品向け機能性素材市場規模は微増が続き、2020年には1,393億円が予測されている。市場の中心をなす繊維系素材は、素材メーカー各社のスポーツ分野への注力度が高いことから堅調に拡大することが予想されている。

 また、介護や医療などへの応用が期待されているほか、ファッションとしてのスポーツウェアの需要も増加。「アスレチック」と「レジャー」を組み合わせた「アスレジャー」向けなどを積極的に展開する動きもでているという。

 ちなみにアスレジャーは、2017年の最旬トレンドとされており、大手スポーツブランドがおしゃれラインとしてレディースで展開したことで注目を集めるようになった。基本アイテムは、レギンス、スニーカー、ぴったりしたトップス。街着としても「リラックス」と「健康」がキーワードになっている。

 その他の機能性素材には、樹脂や金属性素材など産業資材向けがメインであり、スポーツ・レジャー向けは限られているが底堅い需要があるという。コーティング剤は環境に配慮した製品の開発が進んでおり、市場は堅調に推移すると見られている。

■ストレッチ素材市場(繊維系素材)

 ストレッチ素材は、繊維の編み方構造により伸縮性を持たせた素材と、繊維自体にストレッチ機能がある素材に分かれている。

 編み方構造による素材はスポーツウェア全般で採用され、動きに合わせて柔軟に伸縮するソフトストレッチ機能の開発が進んでいる。繊維そのものにストレッチ機能がある素材は、伸びと締め付けが高いことから水着やインナーなどにおいて採用されているという。

 スポーツウェアそのものがファッションとして定着しつつあるため、その需要に乗じてストレッチ素材も安定的な拡大が予想されている。

■クーリング素材市場(繊維系素材)

 主にゴルフウェアやランニングウェアなどで採用され、通気性や接触冷感など技術開発が各メーカーにおいて進んでいる。時間の経過による効果の持続性など改善の余地が大いに残されていることから、新素材の開発により大幅な市場拡大も期待されている。