EU代表部はEUの成り立ちなどを説明(撮影:徳永裕介)

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東京都千代田区の外務省で24日、「キッズ外務省2005・見学デー」が行われ、多くの子どもが普段はなかなか聞くことができない外務省職員や、外国の外交官の話に熱心に耳を傾けた。

 このイベントは文部科学省が主催する「子ども霞が関見学デー」の一環で、全国の小中学生約200人が応募、抽選に当たった約70人が参加した。冒頭、谷口智彦外務副報道官は「日本をやっつけてやれとか世界の人が思わないように、できれば好かれる国になるようにいろいろな仕事をしています」とあいさつした。外務省クイズのコーナーでは「日本のODAを一番多く受け入れている国はどこでしょうか」など、クイズ形式で仕事内容を説明。子どもたちから「外務省の人はみんな英語はできますか」「どうやったら外務省に入れますか」といった質問が出されると、職員が「中学、高校、大学と勉強してきているのである程度できる」「世界で起きていることに興味を持つことが一番大事」と答えていた。

 その後、子どもたちは4つの班に分かれて外国の駐日大使館員を囲み、その国の制度や文化などを学習。EU(欧州連合)代表部のコーナーでは、関係者が「石炭と鉄鋼を作っている国を結べば、戦争する必要がなくなる」と前身のECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が成立した経緯などに触れ、機構についても「EUは国ではない。国の家族」などと主権国家の集まりであることを説明した。キューバのコーナーでも大使館員が日本にロブスターなどを多く輸出していることを紹介し、「大人になって興味があったらぜひ来てください」と自国へいざなっていた。

 将来は国際関係の仕事に就きたいという山梨県の女子中学生(14)は「外務省のことだけでなく、いろいろな国の話が聞けてよかった」と振り返っていた。【了】

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