西武HD、サーベラスが全株式を売却 一時はライオンズ売却で対立
西武ホールディングス(HD)は2017年8月16日、米投資ファンドのサーベラス・グループが保有していた、すべての株式を売却したと発表した。
サーベラスは、06年に経営再建中だった西武HDに約1000億円、およそ30%を出資して大株主になった。その後、13年にプロ野球・埼玉西武ライオンズの売却やローカル線の廃線などを要求するなど、経営陣との対立が表面化したこともあった。出資からおよそ11年半で、その関係もようやく終了した。
2014年には再上場
西武HDと米サーベラスは、当初はホテル事業の支援などの経営面で協力していたが、再上場の仕方などをめぐり、すれ違いが生じた。13年には、サーベラスが西武HDに対して株式公開買い付け(TOB)を実施。目標には届かなかったものの、サーベラスの保有比率は35.45%に上昇した。
ただ、西武HDがホテル事業の復調などで業績が急回復。それにより、両者の対立は弱まり、14年に西武HDは再上場を果たした。
西武HDの後藤高志社長は、「サーベラス社とは、13年に一時緊張感が高まった場面もあったが、14年には西武HD上場も実現し、06年の出資から約11年半にわたるサポートに感謝している」とコメント。同社の経営は、新たな局面を迎えた。