『ひよっこ』峯田和伸、山形からの上京秘話「なまりがひどくて…」
「これまでは若い人たちから“写真を撮ってください”って声をかけられることはあったんです。でも、“朝ドラ”に出てからは50〜60代くらいの方たちから、“見てるわよ、もっとアンタ出なさいよ。出ていいのよ”って言われたり(笑)」
連続テレビ小説『ひよっこ』で、ヒロイン・みね子(有村架純)の叔父・小祝宗男役で出演中の峯田和伸(39)。番組スタート当初から、“ちょっと変なおじさん”として話題となった宗男が、大好きなビートルズを追っかけ、ついに上京した!
「親がビートルズをずっと好きで、物心ついたころから家の中にはレコードが置いてありました。家でも曲が流れていたので、ビートルズは一番聴いている音楽かと。なので、こういう役をやれてすごくうれしいです」
バイクに乗って現れ、いつも明るくて、その場を一瞬で明るくする――。そんな宗男にはモデルがいた!?
「’60年代って、まさにうちのじいちゃんの時代。当時、じいちゃんはドラマの宗男と同じくらいの年齢だったので、実家からそのころの写真を送ってもらったんですよ。
そしたら、なんと、じいちゃんもバイクに乗っていて(笑)。家でもすごく明るかったので、じゃあ今回は僕のじいちゃんをイメージしてやろうって思ったんです」
山形から上京して約20年。劇中では茨城弁の設定だが、“気を抜くとつい出てしまう”と言う山形弁まじりで、当時の“カルチャーショック”を語る。
「初めて新宿駅に来たときは、人の多さに目がまわってしゃがみ込んでしまって。地元は夜9時にはシャッターが閉まって誰ひとりと歩いていない田舎なんです。あとはなまりがひどくて、言葉が通じませんでした(笑)」
それでも、これまで地元に戻ろうと思ったことはないとか。
「僕はどちらかと言えば、山形にいるのが嫌で東京に出てきた部分があるので。東京に住んでいる今でも、海外から帰ったりすると“東京ってすげーところだな!”って思う。東京は好きだし、いまだに憧れの街なんだと思います」
役者としては、まだ“ひよっこ”?
「なんでも役をこなせれば職業欄に俳優って書けると思うんですけど、僕は(住んでいる)中野区役所に行っても絶対“歌手”って書くんです。まだプロの役者ではないって自覚は十分していて、限界も知ってる。僕は役作りもできないし、きっとありのままの感じを求められていると思うので、セリフとかもできるだけ自然に言うようにしているんです」
<プロフィール>
みねた・かずのぶ◎バンド銀杏BOYZのボーカル、ギター。ミュージシャンでありながら役者としても活躍し、出演作には映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』、NHK BSプレミアムドラマ『奇跡の人』など。