35歳フェデラー、伝説の名手アガシが“40歳現役”に太鼓判「あと4、5年はできる」
グランドスラム優勝8度アガシ氏、40歳まで「現役続行できると思う」
男子テニスシングルスのロジャー・フェデラー(スイス)が今季、完全復活を強烈に印象付けている。全豪オープン優勝に続き、「マスターズ1000」で2勝を挙げるなど、19勝1敗の成績ですでに3大会優勝している。
昨年、左膝の手術を受けた影響から終盤戦は欠場したが、今年は全盛期を彷彿させる強さを取り戻しているフェデラー。そんな35歳のベテランについて、グランドスラム優勝8度を誇る伝説の名手アンドレ・アガシは「40歳まで現役続行できる」と分析している。
スペイン地元紙「マルカ」電子版に登場したアガシ氏は、メキシコ・シティでイベントに参加。インタビューに応じている。
「あなたよりもテニス界で威厳のある言葉もないでしょう。あなたは36歳で現役を退きました。ロジャー・フェデラーは36歳を迎えようとしています。彼の活躍を見て、彼はもっと遅い段階で引退すべきだと思いますか?」
この質問に対して、アガシ氏は「ノーだよ。自分に関して言えば、もっと早く引退していたかもしれないんだ。全ての選手にはそれぞれ違ったキャリアが存在する。どの選手にも引退するには理由があるんだ。僕の場合は、体がもう十分だと告げてきた。だから、僕には選択肢はなかったんだ。ロジャーのようなプレースタイルではなかった。個人的に分かるけど、彼はあと4、5年現役を続行できると思う」と語った。
36歳で引退のアガシ氏、引退の予兆は突然「予期できない、全てが変わる」
1986年に16歳の若さでデビューしたアガシ氏は、若かりし頃に長髪やデニムウェアがトレードマークで、強烈なストロークを武器に活躍したスーパースター。2006年に現役引退したが、理由は腰などの故障だった。現役時代でも売り出し中のフェデラーも対決。対戦成績は3勝8敗でフェデラーに分がある。最後の直接対決となった2005年の全米オープン決勝ではフェデラーに敗れ、準優勝に終わっていた。
一方、8月8日にアガシが現役生活に幕を引いた36歳の誕生日を迎えるフェデラーは膝の負担を軽減するために、優勝した今月上旬のマイアミ・オープン以降、クレーコートでの連戦を回避。異例の8週間のオフに入り、5月末の全仏オープンに参戦することを発表している。
体と向き合いながら、圧倒的な強さを取り戻したフェデラーは40歳まで現役生活を続けられるとアガシ氏は語っている。ただし、どんな選手も現役引退を迎えるが、その予兆は突如訪れるものだという。
「僕から言えることは終わりは突然に来るものなんだ。それは予期できない。何かが起きて、全てが変わってしまうんだよ」
アガシ氏はこう語った。コート上で見せるフェデラーの感動的なパフォーマンスはいつまでも見守っていたい、というのがテニスファンの切実な願い。スイスのマエストロは不惑を越え、輝きを放ち続けられるのだろうか。