ドイツ南西部、ライン川を隔てフランスと国境を接する地域に、東西に20〜60キロメートルの広さをもつ針葉樹林を中心とした森があります。

それが南ドイツの「黒い森」。

うっそうと茂った木々が太陽の光をさえぎり昼間でも暗いことから、紀元前後にこの地に達したローマ軍がこの地を「黒い森(シュヴァルツヴァルド)」と名付けたといわれています。

実際には森というよりは山のイメージに近いですが、日本の山のように標高は高くないので「丘陵地帯」をイメージしていただくといいかもしれません。

今回はそんな黒い森地方を代表する保養地、ティティゼーをご紹介しましょう。

ティティゼーは森に囲まれた湖を抱く風光明媚な街。

豊かな自然に囲まれていながら、駅から湖畔まで徒歩5分というアクセスの良さも魅力です。

ティティゼーへの玄関口となるのは愛媛県松山市の姉妹都市でもあるフライブルク。

フライブルクからティティゼー・ノイシュタット駅までは普通列車で約40分。

ほかにミュンヘン(所要約4〜5時間)や、フランスのストラスブール(所要約2時間)などからバスの便もあります。

街の中心部にはホテルや土産物屋、レストランなどが立ち並び、どこか日本の軽井沢にも似た雰囲気があります。

日本ではほとんど知られていませんが、ドイツ国内はもちろん、スイス、フランス、イタリアなどの近隣諸国から多くの人が訪れているほか、中国やインドからの観光客も多く見受けられます。

ティティゼーの魅力、それは豊かな自然と黒い森地方の文化の両方に触れられることです。

この街では黒い森地方の伝統建築を利用したホテルやショップがあちこちに見られます。


黒い森地方の伝統建築は木のぬくもりを生かした素朴なあたたかみが特徴。

また、モダンな家屋の屋根が45度、あるいは60度くらいの角度でまっすぐに下におりているのに対し、この地方の伝統家
屋の屋根はたくさんの面をもつ複雑な構造になっています。

見ているだけで心があたたまるような愛らしさをもつ建物の数々。

街を散策する際には、黒い森地方ならではの建築にも注目して他の地域との違いを楽しんでください。

ティティゼーに着いたら、ボートや遊覧船に乗って、湖上から黒い森の風景を眺めてみてはいかがでしょう。

樹木の種類が違うため、日本とはまた違った点描画の世界のような風景が楽しめます。

湖畔のメインストリートに立ち並ぶショップでは、この地方の名産品であるカッコー時計やリキュール、ハムやソーセージ、ジャムなどのお土産が並びます。

名産のカッコー時計は、サイズが大きく精巧なものになると1500ユーロ(約187000円)を超えることもあります。

こちらはホワイトチョコレートの入ったチェリーティー(2.9ユーロ:約360円)とエコバック(1ユーロ:約125円)。

黒い森の伝統衣装は、大きな玉のついた赤い帽子が特徴です。

ここティティゼーではもちろん食事場所にも困りません。

たくさんのレストランがありますが、おすすめしたいのが湖畔でのピクニックです。

ソーセージやジャガイモ料理、サンドイッチなどテイクアウト用の食べ物を売っているお店もありますのであらかじめ食べ物を用意していなくても大丈夫。

大通りから見て湖の右側の小道を奥に進んでいくと落ち着いて過ごせる公園があります。

天気のいい日であれば、湖を眺めながらの外でのランチは最高に気持ちがいいですよ。

甘いものが好きな方はスイーツも見逃せません。

おすすめなのがリンゴのケーキです。

リンゴが各地で栽培されているドイツではリンゴのケーキはとてもポピュラーな存在。

フランス菓子のような華やかさはありませんが、素材を生かした素朴な味はドイツならではのおいしさです。

お酒が好きな方にはリキュールを使用した「黒い森のサクランボケーキ(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ」もおすすめです。

自然好きな国民性で知られるドイツ。

ティティゼー周辺では、ハイキングやサイクリング、バイクでのツーリングなどを楽しむ人の姿があちこちで見られ、ドイツ人の休日の過ごし方がよくわかります。

レンタサイクルのショップもありますので、ドイツ人のように自然との触れ合いを楽しんでみてはいかが。

観光気分を味わいつつも日常の忙しさを忘れてリフレッシュできるティティゼー。

誰もが知っているようなメジャーな観光地とはまた違ったドイツの魅力が見つかるに違いありません。

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