トルコの南エーゲ海地方に位置する古代ローマ帝国時代の都市遺跡・エフェソス。

数ある古代ローマ遺跡のなかでも随一の美しさを誇るこの遺跡は、2015年に新たに世界遺産に登録されたばかり。

いま再び注目を浴びているエフェソスの魅力をご紹介しましょう。

エフェソス周辺は肥沃な土地、豊かな海産物に恵まれ、古来より港町として発達していました。

紀元前2500〜前1200年にはトロイ、ミケーネ、クレタなどのエーゲ文明が花開き、エフェソスもその影響のもとで発展していきます。

エフェソス観光の中心となるのが、「古代都市エフェソス」。

ヘレニズム〜ローマ時代にかけて建設された都市で、紀元前10世紀ごろから人々の定住がはじまったといわれています。

紀元前133年にローマ帝国の支配下におかれ、「古代都市エフェソス」は最盛期を迎えます。当時は街の北と西に海岸線があり、この地は一大貿易港として繁栄していくことになります。

長い年月をかけて海岸線が移動したため、現在この遺跡があるのは山々に囲まれた街はずれ。

遺跡の中に一歩足を踏み入れれば、そこには日常の世界から切り離された歴史とロマンの世界が広がります。今となっては港町の面影はありませんが、ここを訪れる誰もがその規模と保存状態のよさに目をみはります。

それもそのはず。ローマ時代の都市遺跡のなかでも群を抜いて保存状態がいいのがここエフェソスで、都市が丸ごと残っているのです。

今なお残る遺構の数々は、はるか昔の文明の存在を、そして当時の繁栄ぶりを高らかに示しているかのよう。

古代都市エフェソスのなかでも最高の美しさを誇るのがセルシウス図書館。


117年に建設されたもので、かつては10000冊以上の蔵書を誇り、アレキサンドリア、ペルガモンと並び世界三大図書館のひとつに数えられていました。

力強さと優雅さをあわせもった大理石のファザード、美しく細やかなレリーフの数々……

足を止めて、正面から、下から、後ろからと、色々な角度からじっくりと眺めずにはいられません。

19世紀の時を経た今でもこれほどの美しさをたたえるその姿には息を呑み、感動するばかりです。

彫刻やレリーフの精緻さで知られるのが、皇帝ハドリアヌスに捧げられたハドリアヌス神殿。

幸福の女神ニケや女神アルテミス、蛇髪の怪物メドゥーサなどが描かれています。

25000人を収容できるという大劇場も圧巻のスケール。


巨大な劇場と背景の山とのコントラストがなんともダイナミックです。

この野外劇場の音響効果は抜群で、現在でもコンサート会場として利用されているのだとか。

文化行事だけでなく闘技場としても使われていたこの劇場で、当時の人々は何を見、何を感じたのか想像をめぐらせてしまいます。

長い歳月を経てもなお、当時の人々の息づかいが感じるかのような都市遺跡・エフェソス。

あなたもこの壮大な歴史遺産を体感しに出かけてみませんか。

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