奇跡の復活を遂げた銀座の名店「ニューキャッスル」で名物の「辛来飯(カライライス)」を味わおう
日本有数の繁華街、銀座。
誰もが一度は聞いたことのあるであろう高級店が軒を連ね、長い歴史も持つ格式高い街並みは、日本広しといえど唯一無二の存在と言えるでしょう。
そんな銀座に一度は閉店をしながらも、常連さんの手によって奇跡の復活を遂げたカレー店があります。
今回は、そんな奇跡の復活を遂げた銀座のカレー店「ニューキャッスル」をご紹介します。
・復活を遂げた名店「ニューキャッスル」
こちらのお店の創業はなんと戦後わずか1年後の1946年(昭和21年)。
東京がまだ戦後の混乱状態だった頃、銀座で営業をスタートしたお店が「ニューキャッスル」です。
開店当時はGHQからコーヒーを仕入れ販売していた珈琲店でしたが、のちに名物メニューとなる「食べているうちに辛さが来る」ことから「辛来飯(カライライス)」と名付けられたカレーライスが人気を呼び、カレーの有名店として知られるようになりました。
その後長きにわたり、銀座の土地で営業をしておりましたが、2012年に建物の老朽化等の理由により閉店してしまいます。
多くのファンが「ニューキャッスル」との別れを惜しんでいたところ、常連の1人であった飯塚健一さんが先代のもとを訪れ、「ニューキャッスル」の再建を志願。
1年近くにわたり修行を重ねた結果、先代にも認められて3代目店主となり、新「ニューキャッスル」として2013年に奇跡の復活を遂げることになりました。
先代からも太鼓判を押される「辛来飯(カライライス)」は、昔からのお客さんだけでなく新たなお客さんにも好評で、銀座で注目のカレー店の1つとなっています。
・ここだけでしか味わえない「辛来飯(カライライス)」
お店の名物となっている「辛来飯(カライライス)」は、名前だけでなく、その味わいも非常に個性的です。
実は普通のカレーライスに使われる食材である「肉」は、こちらの「辛来飯」には使用されていません。
その代わりに野菜やフルーツ、香辛料などをミキサーにかけペースト状にしたものを、コクのある豚骨スープで煮込んで作られるそうです。
食材をミキサーにかけることで、身体への吸収もよくなり、さらに食材のウマミとコクが溶け込んだルーに仕上がるのだとか。
そのルーにスパイスを加えて一晩寝かせることで完成する「辛来飯(カライライス)」は、野菜の甘みとスパイスの辛さが共存した奥深い味わいを楽しめるカレーライスへと進化するのです。
・「おおもり」が小盛り?
「ニューキャッスル」で、「辛来飯(カライライス)」を注文する際は注意が必要です。
「大盛り」を頼んだつもりが、出てくるのは「小盛り」という不可思議な現象が起こるからです。
というのも「ニューキャッスル」では、サイズは京浜東北線の駅名で決まっており、少ないものから順に「品川(かなり少なめ)」、「大井(少ない)」、「大森(小盛)」、「蒲田(普通)」、「川崎(大盛)」となっています。
もともと「大井」=「多い」、「大森」=「大盛」という洒落から生まれた呼び方なのですが、ボリューム満点の「大盛り」を期待して「おおもり」と注文しても出てくるのは「小盛り」サイズで、お腹いっぱい「大盛り」を食べたい方は「川崎」と注文しなければならないのです。
・人気の裏メニュー
メニュー表に記載されているのは上記の5つのサイズのみですが、常連さんの間で人気なのが「つん蒲」と呼ばれるサイズ。
現在の新しい店舗になってから新たに「川崎」が登場しましたが、移転前は「蒲田」が最大のサイズでした。
そんな移転前の「蒲田」で満足できない食欲旺盛なお客さんに向けて販売していたのが、裏メニューの「つん蒲」です。
「つん蒲」とは、「蒲田の先につんのめる」という意味の略語で、「蒲田」を超えるボリュームの「辛来飯」を指します。
常連さんに大人気の「つん蒲」ですが、俳優の武田鉄矢さんもボリューム満点の「つん蒲」を気に入ったそうで、なんと2杯も平らげたというエピソードも知られています。
創業より銀座で70年愛されつづけるお店「ニューキャッスル」。
一度の閉店を乗りこえ、常連さんの手によって奇跡の復活をとげたカレーの名店は、これからも銀座の地で輝きつづけます。
銀座を訪れた際は、名物の「辛来飯(カライライス)」の奥深い味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。
そして食後には、「ニューキャッスル」の開店当初よりこだわり続ける自慢のコーヒーで、たっぷりと癒しの時間を楽しんでみるのもオススメです。
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お店 ニューキャッスル
住所 東京都中央区銀座2-11-1 銀座ランドビル B1F
営業時間 11:30〜16:00
定休日 月曜・祝日