本当にうまいウナギを食べるには1時間必要!さっきまで生きていたうなぎを食べさせてくれる名店、墨田区吾妻橋の「鰻禅(うなぜん)」
古今東西、日本人を虜にしてきたスタミナ食の1つと言えばウナギ。
縄文時代の貝塚からもウナギの骨が出土するほど、実は日本人の食生活と切ってもきれない食べ物の1つ、それがウナギなのだ。
そんなウナギを食べさせてくれる名店は様々あるのだが、目の前で生きたウナギをさばくところから調理をはじめる鰻屋はなかなか無い。
今回は本当に美味しいウナギを食べさせてくれる、浅草からほど近い墨田区吾妻橋にある鰻の名店「鰻禅(うなぜん)」をご紹介したい。
・目の前に生きたままのウナギ
こちらのお店、生きたままのウナギを注文を受けてから裁き、うな重をつくるお店。
そのためご主人にお願いすれば、目の前で生きているウナギを見せてもらう事もできる。
こちらのウナギは地下水で常に新鮮な状態に保たれており、見た目にもピカっと艶やかなウナギはこれからの最高のうな重を予感させる。
・手際よく裁かれるウナギ
串打ち三年、割き五年、焼き一生といわれるウナギの調理。
こちらのご主人は注文があると手際よく生きたままのウナギを新鮮さを損ねる事なく、一気に背中側から裁いていく。
その時間たるやあっという間の仕業なのだ。見ているだけで感動してしまうほどの包丁さばきは、まさに芸術の域に達しているとも思えるほどだ。
・江戸前のウナギは3段階の仕込み
江戸前のウナギは関西とは異なり、3段階に分けて調理される。
まずは白焼きにしてウナギのうまみを閉じ込め、
次にウナギを蒸し器にいれ、柔らかい食感へと変化させるのだ。
そして蒸し上がったウナギを特製のタレにくぐらせて、焼き上げる。
この3段階の調理によって、ウナギの外側はしっかりと味わい深く香ばしいタレがコーティングされ、内側はふわふわ感とウマミをしっかりとたたえたウナギの蒲焼きへと生まれ変わるのだ。
・絶品のウナ重を待つ時間も楽しむ
生きたウナギを裁くところからスタートするウナ重は1時間以上待ったうえで供されるのだが、その待つ時間もしっかりと楽しめる。
アサヒビールと一緒に供されるのは、ウナギを佃煮にしたものとウナギのエリと呼ばれる部分を時雨煮にしたもの。
ウナギのコクをしっかりと感じられる佃煮と、ショウガがピリッと効いた時雨煮はビールにもお酒にもあう絶品の味わい。
さらにこちらのお店では、日本酒をオーダーした方にのみ、ウナギのヒレを焼き上げた串を提供してくれる。日本酒好きにはたまらないサービスのため、ぜひ日本酒をオーダーしておきたい。
・絶品のウナ重
様々なおいしい前菜と素晴らしいご主人の妙技を楽しんだ後は、いよいよ、うな重だ。
裁きたてのウナギを目の前で蒲焼きにし、それをうな重にしたものに間違いはないのだ。
ただ、心のおもむくままに、美味しいうな重を頬張ってみてもらいたい。そこには感動の味わいが待っている。
・知っておきたいウナギのまめ知識
時間があれば、こちらのご主人からはさまざまなウナギの知識をお伺いする事ができる。
例えばウナギの旬。
ウナギといえば夏のスタミナ食、というイメージが強いのだが、実は天然物のうなぎの旬は10〜12月の冬だそうだ。
また、うまいウナギはいくつかあり、その中でも「新子(シンコ)」と呼ばれる、1年経たない若いうなぎは絶品とのこと。
皮も柔らかく、身も脂が乗り、小骨も少ない「新子」は、秋から冬の時期にたまに入荷できる場合がある、というほどレアなものらしい。もし新子を見かけたら絶対に食べておきたい、とも言える味わいだそうだ。
ウマいものにはその裏側にとてもたくさんの時間が積み重なっている、そう感じさせてくれる絶品のウナギを味わうために浅草に出かけてみてはいかがだろうか。
きっとそこには、この場所でしか味わえない、絶品の味わいがあるに違いない。
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お店 鰻禅 (うなぜん)
住所 東京都墨田区吾妻橋3-6-18
営業時間 11:00〜20:00 (売り切れ次第終了のため閉店まで開店しているとは限りません)
休日 月曜日(月曜日が祝祭日の場合、翌日が定休日)