桑田佳祐「音楽人としてやれること」宮城・女川町から公開生放送

3月26日放送のTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」は、宮城県の女川町から公開生放送をお届けしました。



2011年の震災以降、町民の情報源として役立ち、そして癒しのひとときを提供し続けることで親しまれてきた女川町の臨時災害放送局“女川さいがいFM”。3月29日をもって閉局することを知った桑田さんが、困難な状況の中5年間続けてきた、さいがいFMのスタッフを労い、そして女川に限らず未だ苦労が続いている被災地の復興祈願のメッセージを送る意味合いを込めて、閉局の前日となる3月26日に毎週放送している自身のレギュラー番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」を女川から生放送をすることにしたのです。

5年前の震災後すぐに桑田さんは、所属事務所のアーティスト達が集まった「チームアミューズ」の旗振り役となってチャリティソング「Let’s try again」をリリース。ちょうど半年後の9月10日、11日には震災後、災害で亡くなった方々の遺体安置所となっていた「宮城 セキスイハイムアリーナ」の一般利用再開後、初のライブコンサートとなった「宮城ライブ」を実施 (このライブは桑田さん自身の病気療養後の復活ライブという意味合いも含め、その模様は東北のみならず日本全国の人々に元気と勇気を与えてくれました)、さらに翌年の3月には同会場の敷地内に桜の記念植樹をするなど、さまざまな形で震災と向き合ってきました。

番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」はTOKYO FMをキー局に、北はAIR G’（FM北海道）から南はFM沖縄まで、JFN（Japan FM Network）の38局で放送中ですが、桑田さんは記念植樹などで宮城県を訪れた際などを含め、幾度となくFM仙台のスタジオから生放送を行ってきました。今回もFM仙台の協力を得て、昨年3月に再開された女川駅2階にある温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」に、抽選で選ばれた約50人の女川さいがいFMのリスナーを招待して生ライブを披露。その模様は、女川さいがいFMでも放送することができました。

「女川さいがいFMが、明日最後の生放送を行うということです。本当にお疲れ様でございました。今夜は音楽の力を信じて、時間の許す限り生歌もたっぷり行いたいと思います」

番組冒頭、桑田さんはそう話すと、バンドメンバー（キーボード・原由子、ギター・小倉博和、斎藤誠、パーカッション・小田原豊）と共にサザンオールスターズのデビュー曲「勝手にシンドバッド」で生歌をスタート！　続いて女川町出身の俳優・中村雅俊さんに提供した楽曲「恋人も濡れる街角」をしっとりと歌い上げました。

「雅俊さんにも『女川に来てますよ』と、先ほどメールをいたしました。そうしたら『女川丼を食べてみて』と返ってきました。あの方もご自分のふるさとのために、とても頑張っていらっしゃる、尊敬する大先輩でございます」

さらに、「いとしのエリー」、「風の詩を聴かせて」、「紅とんぼ（ちあきなおみさんのカバー）」、「明日へのマーチ」、「祭りのあと」、「明日晴れるかな」とライブは続き会場のお客さんはもちろん、会場の外にもたくさんのお客さんが集まり、とても盛り上がりました。「我々も音楽人としてやれること……東北が、女川が、どれだけ大切な場所かということを、日々思いながら精進していきたいと思います。女川さいがいFM、万歳！」と語り鳴り止まない拍手の中、放送は終了しました。

番組終了後も続いた生演奏やこの日募集していたメッセージについては、次回4月2日の放送で紹介する予定です。