広島県民にとっては毎年恒例？となった広島銀行ともみじ銀行による「カープV預金」が、2016年も開催される。広島東洋カープの成績に応じて金利が上がっていく仕組みだが、果たして期待通りの上がり方をしていたのだろうか？

2016年は優勝で金利が9倍に

もみじ銀行の「カープV預金」は、その時点での金利に、カープの活躍に応じて少しずつプラスされていく方式だ。例年だと、優勝で0.3％、準優勝で0.2％、3位入賞で0.1％が金利に上乗せされるが、マイナス金利政策の影響もあってか、2016年は0.2％、0.1％、0.05％と少し低くなっている。

例年よりも上乗せ金利は小さいが、それでも優勝すると、金利が3月初頭時点での0.025％から一気に0.225％になる。実に9倍である。夢のようだ。

しかし、果たしてそううまくいくのだろうか？2006年から2015年までの10年間の戦績と上乗せ分を図表にし、実際の状況をまとめてみた。



上の図によると、2006年から2015年の期間だと上乗せ分が生まれる年は少ない。2013年と2014年の3位入賞時には、0.1％プラスされたのみだ。もみじ銀行でカープV預金が始まった1995年から未だ優勝はないため、2016年こそは優勝で金利も大幅アップと行きたいところだ。

2000年代に入ってからはなかなか目立った成績を残せていないカープだが、80年代は優勝3回、準優勝4回、3位入賞2回という実績がある。もしこの制度がその当時にあったのなら、毎年のように上乗せがあったということだ。最高で10％近かったとも言われる当時の金利の高さに上乗せされていたら、預金額はうなぎのぼりだっただろう。10年間で倍にすることも夢ではなかったかもしれない。

――映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、未来のスポーツ年鑑が大きな力を持った理由が良くわかった。