日本政府観光局(JNTO)によれば、2015年に日本を訪れた中国人外客数は前年比107.3%増の499万人に達し、中国人旅行客の数は日本を訪れた外国人旅行客全体のうちの約4分の1を占めた。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本政府観光局(JNTO)によれば、2015年に日本を訪れた中国人外客数は前年比107.3%増の499万人に達し、中国人旅行客の数は日本を訪れた外国人旅行客全体のうちの約4分の1を占めた。

 中国共産党地方委員会機関紙の解放日報(電子版)はこのほど、日本を訪れた中国人旅行客による消費額も前年比2倍以上の794億元(約1兆4133億円)と爆発的に増えたと伝え、中国は中国人による日本での爆買いブームを反省すべきであると主張した。

 日本をはじめ、国外で中国人が爆買いする一方で、中国国内では生産能力の過剰と深刻な水準まで積み上がった在庫量が大きな問題となっている。記事は、その理由について「需供の不一致」にあると分析。中国企業は昔ながらの考えで、低価格と大量生産ばかりを重視しているが、中国の消費者はもはや「高品質、精巧さ、ブランドを求めるようになっている」と指摘。中国消費者は品質のためには金に糸目を付けないようになったと論じた。

 供給側の問題については中国政府も明確に認識しており、改革を促している。記事は、「需要と供給の不一致を解決すること」が改革の原則であるべきだと論じ、消費者が抱えているニーズを満たすことこそ、改革の突破口になると主張した。

 では中国の消費者ニーズとは何だろうか?それは中国人旅行客が日本で爆買いする製品を見ればよく分かる。乳幼児向けの安全な食べもの、高品質・高性能の家電製品や日用品、ブランド力とデザイン性、機能性に優れた製品が爆買いの対象となっている。つまり、こうした製品こそが現代の中国人消費者が求めるものだ。そのほかにも、質の高い医療サービスや教育も中国人が求めているものといえる。

 中国国内の企業にとっては、すぐ近くに日本という質の高い製品、サービスを提供できる国が存在することは日本に客を奪われていることを意味する。中国企業が中国人消費者の求める製品を提供できない状況が続けば、日本に客を奪われ続ける可能性は高いだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)