中国メディアの新華社は22日、工業化や都市化、農業の現代化、気候変動などの影響を受け、多くの国で水不足に直面していると指摘し、雨を水資源として利用するうえで、降水量の豊富な国の1つである日本から学ぶべき点は多いと論じる記事を掲載した。

 記事は、東京都の降水量は年間約25億立方メートルに達すると紹介し、墨田区は雨を水資源として利用しているロールモデルだと紹介。墨田区にある両国国技館ではトイレの流し水や冷却塔の補給水などに雨水が使用されていると紹介した。

 さらに、墨田区役所のほか、区内の多くの建物では雨水を貯め、活用するための取り組みが行われていると紹介し、普段は草花への潅水や家庭菜園などに利用され、地震など大規模な災害が発生した場合は、貯めていた雨水を煮沸するなどして飲用水として利用されると紹介した。

 また、現在は墨田区だけでなく、日本各地で雨水をトイレの流し水などに利用する取り組みが行われているとし、年間に使用される水の35%を雨水でまかなっている体育館もあるほどだと伝えた。

 そのほか記事は、日本には各地に雨水活用を推進する民間組織や、学術組織があることを伝えた上で、「雨水を有効に活用することは洪水を防ぎ、水不足の解決につながる」と日本の取り組みを評価したうえで、行政から民間まで全面的な取り組みによって日本の雨水の活用が良好な成果を挙げていると評価した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)