「一運、二金、三度胸」を持つ大人向けR指定 !? コーナー。 ここでは思惑株、裏ネタなどハイリスクな情報を凝縮した。 兜町をさまよう黒い噂、その真相は…。 株ビギナーと心配性の人は読まないでね!

軽自動車の増税が決まり、販売への打撃が警戒されるスズキ。フォルクスワーゲンとの資本・業務提携が事実上失敗に終わったことに次ぐマイナス材料だが、一部では「マツダと合併」「三菱自動車との統合」などの噂がくすぶっている。

マツダは今年1月、新型車「フレアクロスオーバー」を発売した。スズキの人気車「ハスラー」をマツダに供給するOEM(相手先ブランドによる生産)車で、スズキとマツダの良好な関係の象徴とみられている。

ただ、スズキの主取引銀行は三菱東京UFJ銀行、マツダは三井住友銀行だ。両社を合計しても売上高はトヨタに遠いだけでなく、ホンダや日産にも追いつけず、単なる中堅連合で終わりかねない。

また、主要取引銀行が同じ三菱自動車との統合観測もあるが、同社は日産自動車と関係を親密化させているうえ、スズキと統合しても単純な経営規模の拡大以外に明確なメリットを見いだしにくい。

スズキは2008年3月期の売上高3兆5024億円をピークに、販売が頭打ちの傾向が続いている。3月期決算発表のある今年4月以降、動きが出てくる可能性がある。

JVCケンウッドの赤字が解消される日は…

ソニー、パナソニック、シャープの3社は前期まで深刻な業績悪化に直面し、電機業界の「赤字3兄弟」とも言われた。ただ、3社ともに今期は黒字見通しで、来期は増益も予想される。

だが、電機業界全体では、必ずしも円安がすべての問題を解決したわけではない。大規模なリストラを交えた経営再建と戦略の立て直しにこれから取り組む会社も少なくなさそうだ。

JVCケンウッドもそのうちの1社。今期は70億円の最終赤字が予想され、来期以降の明確な業績反転シナリオも描けない。400人削減などのリストラ策を発表したが、固定費削減は65億円と、今期の予想赤字幅に届かない。

ケンウッドと日本ビクターが経営統合する前の2008年3月期には、両社の売上高は合計で8000億円超だった。統合後は業績悪化とリストラの繰り返しで今の規模に落ち着いたが、今期は利益が出ない。資産売却など手はすでに打ったが、「リストラをしようにも切る事業がない」(全国紙記者)と悲観的な見方もある。構造改革プランが出て、株価が上昇した場面があれば、塩漬け株を保有している投資家にとって貴重な逃げ場になるだろう。

この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。