テレビ東京「ソロモン流」(3日)では、クローザーとしてレッドソックスを世界一に導いた上原浩治の今シーズンに密着した模様を放送。その中では、ポストシーズン前の9月7日に巨人&MLBの先輩・松井秀喜氏と食事をする場面があった。

「国民栄誉賞おめでとうございます」という上原に、松井氏は「いいんだよ、そんなものは」と素っ気無い返答。それでも上原が「何を貰えるんですか?」と尋ねると、松井氏は「金のバット」と。上原が「今度見せて下さい」と言えば、「石川(松井秀喜ベースボールミュージアム)行けよ」といい、松井氏もまた心許せる後輩との食事にリラックスしている様子をうかがわせた。

すると、「ワールドシリーズ出るチャンスじゃん」と切り出した松井氏。上原が「行ってみたいですね。投げてみたいって想いがあるので」と話すと、松井氏は「可能性としては最後のアウトにマウンドにいる可能性は十分ある訳じゃない。そしたら凄いことだと思うよ」、「クローザーにとっては究極なんじゃないですか?ワールドシリーズ最後のアウトを取る時にマウンドにいるっていうのは」などと、その結末を予言するかのごとく上原に発破をかけた。

今度は上原が松井氏に「ワールドシリーズMVPですよね」と話すと、またもや「遠い昔ね」と素っ気無く返答した松井氏に、上原は「何で辞めたんですか?」とズバリ。松井氏が「打てなかったんだよ、仕方ない」と答えるも、「膝ですか?」(上原)、「膝もあるけど、膝悪くても結果出れば別にね」(松井氏)、「どこかなかったんですか?どこか獲ってくれるところ」(上原)、「それは分からない。あったかもしれないし」(松井氏)、「全く日本は考えなかったですか?」(上原)、「日本ね・・・2002年くらい打てたら戻ったかもしれない」(松井氏)などと、ジャーナリスト顔負けの鋭い質問を直球でぶつけていった。

また、話題が2009年4月8日(ヤンキース×オリオールズ)の上原が松井氏を打ち取ったメジャー初対戦に及ぶと、松井氏は「初球フォークで、こいつの性格を見たよ。思いっ切り空振りして。先輩に敬意を表して絶対真っ直ぐで来るだろうって思いっ切り振ったらフォークだった」とチクリ。それでも「でもね、彼がやっぱり凄いのはフォークが真っ直ぐに見えるんですよ。だから振っちゃう。そうでもないピッチャーのフォークはもっとはやい時点で分かる。バッター目線から言うと。ストレートの軌道と、腕の振りとボールの軌道が近くにくるまで感じさせるんでしょうね。そういうフォークを投げる人が僕の対戦した中ではあまりいないんで。昔、佐々木(主浩)さんくらい。思い浮かばないな」と絶賛した。

食事を終え、店から出た両者。車に乗り込んだ松井氏は、上原との別れ際、ここでも素っ気無くメッセージ入りのボールを手渡して去っていった。そのボールに書かれていたメッセージは「もう打てないから辞めたんだ。体に気を付けて1年でも長くプレーしてくれ!」というもの。これを読んだ上原は、「これは僕だけの宝物」と嬉しそうにホテルへの帰路についた。

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