井端が大幅な減棒を提示されたと報道があった。落合GMはやはり本気であり、フェアである。


一定の枠がある中で勝てるチームを作るとなれば、費用対効果の低い選手を切るという判断は合理的である。井端は過去に実績や貢献のある選手であり、また外部からは落合野球の象徴とも言われるような存在であった。そんな井端に現在価値を提示するのは嫌な仕事であり、恐らく今までの球団では出来なかっただろう。そのような対応が出来るDeNAは凄いと先日思ったばかりの所、それを上回る衝撃である。

ファースト、サードには森野、ルナ、高橋、堂上弟などがいるが、ショートのレギュラーを期待される選手は限られている。岩崎達のような役割も含めて井端は残れば必ず戦力にはなる選手だろう。しかしそれは一線級の年棒に釣り合う役割ではない。それなら先発の補強や外国人、守備の控えに金を使う方がいいというのは一つの考えである。

野球選手の契約について、本来は将来成績への期待について金額が決まるべきものであるが、今期の成績にとらわれ過ぎな心証があり、また過去の積み上げに対する論功行賞的な側面も見られる。過去の慣例に縛られて非合理的であった部分について、明晰な論理的思考能力と軋轢を恐れない強靭な精神力で変えていくのはまさに落合流であり、今後の展開が楽しみである。井端には不運であったと思えば気の毒にもなるが、多くの選手が毎年解雇される厳しい世界であり、それがフェアな対応であればやむをえまい。


にわかに契約更改が興味深くなった。過去の他球団での減棒などは、単なるコストカットや私情しか伝わってこなかったが、落合GMによる改革は強い意図の見られるものになりそうである。注意深く見守っていきたい。



日本シリーズは気が付けば最終戦にもつれ込んだようである。引き分けがないとすると最終戦までもつれこむ可能性は5/16ぐらいだろうか。 落合監督時代でも5度のうち最初と最後の2度最終戦にもつれ込んだが、日本一を願う思いと、勝っても負けてもこれで終わりだという哀愁の思いとが交錯し、後には特別な思い出となった。両チームのファンには楽しんで頂きたい。芽が出た選手は徹底的に使い込んで1年で潰す星野野球の犠牲者が出ないといいのだが。