保護者が子供に “見せたくないテレビ番組”として、2012年まで9年連続(!)で首位となっている『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)。今回、1日に2時間以上テレビを見ている20代から30代の男性300人(関東地区)に「好きな番組・嫌いな番組」をアンケートで聞いたところ、ここでも「嫌いな番組」でトップとなった。

ただ、高視聴率番組だけあり、同時に「好きな番組」でも6位にランクイン。一見、矛盾しているようだが、そこにはどんな理由があるのだろうか。コラムニストの今井舞氏はこう話す。

「好き嫌いは表裏一体なんです。両方のランキングに入るということは、それだけ注目されている証拠」

実際、好きな番組に票を投じた理由として「芸人をイジる企画が面白い」を挙げる人が多かったのに対し、嫌いな番組では「下品のひと言に尽きる」「すべての企画が“イジメ”だから」という意見がズラリ。今井氏が続ける。

「私も好きか嫌いかで言われると、『ロンハー』は即答できない。有吉の『タレント進路相談』は完全保存版といえるほど面白いのに、タレントドッキリは大嫌い。けど、その間口の広さこそが大勢に支持される理由でしょう」

そんな『ロンハー』と対照的に、厳しい意見が多かったのがお笑い番組『ピカルの定理』(フジテレビ系)だ。ピースや平成ノブシコブシ、千鳥といった若手芸人たちが勢ぞろいするコント番組なのだが、アンケートではかなり辛辣な意見が並び「嫌いな番組」の2位にランクイン。

「『めちゃイケ』の二番煎じにしかすぎない」(30歳・会社員)

「千鳥は大阪だと腹を抱えるほど面白いのに、ピカルでは変なかぶりものをしているだけ。ネタの内容を見ると、小中学生向けの番組」(31歳・無職)

この4月末からゴールデンタイムに昇格するが、果たしてどうなるか。

バラエティ番組以外では、アクの強い男性キャスターが居座る報道・情報番組も支持を得られにくい傾向が見られた。

「『報道ステーション』(テレビ朝日系)の古舘伊知郎や『とくダネ!』(フジテレビ系)の小倉智昭など、キャラ立ちしているMCがいる番組は往々にして批判されやすい。押しつけがましいジャーナリズムに視聴者も辟易(へきえき)としているのでは?」(今井氏)

保守的な番組が多くなったといわれるテレビ界だが、そうした殻を打ち破った番組作りに期待したい。