「底を見たという感じ。厳しい1年ではあったけど、明るく正月を迎えて攻勢に出ていきたい」
 フジテレビの豊田皓社長が直近の会見で視聴率についてこう前置きし、次のように語った。
 「(10月期の)視聴率は相変わらず3位。今年の1月2日からも3位。7年続いた年間視聴率三冠王が、数字を下げている」

 ただ、来年4月に大幅な改編をおこない、「三段階反撃」で巻き返す腹だ。
 これまでの老舗番組を、打ち切りかタイトル変更で大幅にメスを入れることを示唆した。
 「第1弾になる可能性が高いのが『笑っていいとも』の打ち切り。そして第2弾が『とくダネ!』などの早朝情報番組のテコ入れ、あるいは衣替え。第3弾が安藤優子の更迭を含めた『FNNスーパーニュース』のレギュラーキャスター人事。木村太郎も俎上に上げられています。これを4月から6月にかけてやろうというのです」(フジ事情通)

 豊田社長は日テレ、テレ朝に視聴率では負けているが、とくに焦りはないという。売り上げにおいてフジは上位2局を上回っているというのがその理由。
 フジの'13年3月期上期売り上げは1642億円、通期で3264億円(見込み)。これに対し、日テレは上期売り上げ1590億円、通期が3230億円。テレ朝は上期1230億円、通期が2500億円である。
 「売り上げがいいのは最近だけです。今期は映画『踊る捜査線 THE FINAL』が当たってその興収が入ってきた。その前までの売り上げはよくなかった」(大手広告代理店社員)

 それでもフジは、冬のボーナスをかなり奮発した。3.77カ月プラス功労金というから約4カ月分とみていい。
 「日枝会長は年に1億7000万円、豊田社長も1億2000万円もらっています。その数字からいくと、最低でもこれくらい出さないと下に対して示しがつかない」(前出・フジ事情通)

 フジはどこまでも浮世離れしていると言うしかない。