スマホ最新モデル購入に潜む“意外な落とし穴”
ケータイキャリア各社による夏の最新スマートフォンが、続々と店頭に登場している。さらなる大画面化や高速化、新サービスへの対応などが盛り込まれた最新モデルだが、必ずしも「新しいから良い」とは限らない。去年の冬から今年の夏にかけて最新のスマホを購入した人を対象にアンケートを試みたところ、「最新モデルを買って後悔している」という意見が多数寄せられる結果となったのだ。
昨年、薄型の防水対応スマホを買った学生は端末の不具合に悩んでいる。
「初めてのスマホだったんで、発売前から情報を集め、自分にピッタリと思ったモデルを発売直後に購入しました。でも、はっきり言って期待外れ……。不具合の連発なんです。メニュー画面を指でスライドさせるとそのままくるくる回って止まらなくなるし、カバンに入れておいたら電源が勝手に落ちてるなんてこともしばしば。キャリアショップと交渉して本体を2回交換してもらい、なんとかそうしたトラブルは収まりましたが、いまだに通話できなくなったり、ネットにつながらなくなったりという現象は続いています」(Aクン・学生)
また、購入前にはわからなかった“使い勝手の悪さ”や“期待外れの性能”についての意見も。
「『最新のデュアルコアCPUによる高速処理』という言葉が購入の決め手でした。確かに、動画の再生はスムーズなんです。でも、驚いたのは画質の悪さ。発色が悪く、全体にザラザラした画質なんですよ。これじゃいくら処理が速くても……。購入前に店頭のホットモック(店頭用のサンプル)で確認したとき、メニューのアイコンくらいでしか画質をチェックできなかったのが残念です」(Cクン・会社員)
「バッテリーがもたないのは、驚きを通り越して失望ですね。いつも予備の電池を持ち歩いています。カタログの数値って全然アテにならない!」(Dクン・フリーター)
発売直後に買った彼らが異口同音に口にするのは「こんなウイークポイントを抱えていることがわかっていれば選ばなかった」ということ。購入をもう少し待ち、利用者の口コミ評価が出そろってそれを確認してさえいれば、こうした事態を防げたかもしれないのだ。
ケータイジャーナリストの石川温氏も、以下のように語る。
「特にアンドロイド端末はいまだ発展途上にあり、機種ごとの“当たり外れ”があるということです。私も仕事柄、数多くのスマホをテストしていますが、なかには電話が着信しているのに取れないなんていう端末もありました。また、そこまでの不具合でなくても、起動が極端に遅かったり、反応がもたついたり、本体が異常な高温になったりなど、率直に言って『これを2年間使い続けるのは厳しいだろうなぁ』というケースもありました」
決して安くはないお金を支払ってでも「できるだけ新しいモデルが欲しい!」という心理は十分に理解できる。だが、最新モデルを購入することはリスクを伴っていることも覚えておくべきだろう。
(取材・文・撮影/「最新スマホは買うな!」取材班)
■週刊プレイボーイ33号「最新スマホほどコワい買い物はない!」より