「読売巨人軍のコンプライアンス上の重大な件」という趣旨でジャイアンツの清武代表が記者会見を開いた。

来季のコーチ人事を巡って球団会長の渡辺恒雄氏を告発したという。

正直、球団内部で処理して欲しいというのが一報を聞いた感想である。

球界のドン相手に告発という行動は勇気あるものだと思う。

相手が渡辺会長といえ、ジャイアンツ球団は、イエスマンばかりではないということのアピールなのだろうか。

清武代表は「プロ野球界におけるオーナーやGM制度をないがしろにする」「巨人にもコンプライアンスが要求される。それを破るのが、渡辺氏のような最高権力者であっては断じてならない」と痛烈に批判したというが、事実はどうあれ、球団内部で処理して欲しい内容である。

清武代表・渡辺会長の立場が球団内でどういうものなのかということがはっきりしていないことが事の発端なのではないだろうか。

監督やコーチ人事の最終決定権が誰にあるのかという、単純な対立である。

決定権が球団代表という立場の清武氏にあるのか、会長という何とも中途半端な立場の渡辺氏にあるのか。

それとも他の人間にあるのか。

それだけがしっかりと決められていれば、こんなみっともないことは起きなかった訳で、何ともレベルが低く情けない話題である。

これまでのさまざまな言動から、渡辺会長の身勝手な発言が招いたことなのかもと考えるが、野球の私物化、ジャイアンツ球団の私物化という子どもじみたいざこざはそろそろ卒業して欲しい。

読売新聞グループ本社会長という球界だけでなく、社会的立場のある人間であることをしっかりと認識し言葉を発し、行動を起こして欲しいものだ。

言った(報告した)言わない(聞いてない)の子どものけんか、水掛け論になっているようだが、良い意味にも悪い意味にも球界のリーダーたるジャイアンツの内紛、シーズン中でなかったことだけが不幸中の幸いである。