今季というか、何年ぶりかに女子のトップリーグ(なでしこリーグ)の試合を見た。朝はあいにくの雨だったが、試合が始まる13時にはほとんど雨が止んだ熊谷陸上競技場。対戦カードはASエルフェン狭山 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下ジェフL)だ。

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世間はワールドカップ優勝の効果もあり「なでしこブーム到来!」という感じであり、代表選手を数多く擁するINACレオネッサの試合には、J2なんて目じゃないほどの観衆が押し寄せているが、天候の悪さや、そして代表組が誰もいない(ジェフには丸山佳里奈がいるが前十字靱帯損傷で欠場中)この試合には、Lリーグ当時とあまり変わりのない光景(まばらな観客数)がそこにあった。

[狭山スタメン]
ーーーーー村岡ーーーーー
ー齋藤ーーーーーーー薊ー
熊谷ー澤田ーー高橋ー田子
ーー山本ー笠嶋ー柴田ーー
ーーーーー有馬ーーーーー

[ジェフLスタメン]
ーーー深澤ーー筏井ーーー
ー安本ーーーーーー井上ー
ーーー山田ーー加賀ーーー
細川ー高橋ーー河村ー千野
ーーーーー有馬ーーーーー

ホームの狭山はこれまで2勝10敗で現在8位。対するジェフLは4勝1分8敗の勝ち点13で6位。前節の福岡Jアンクラス戦で今季2勝目を挙げた狭山は、調子は上向きで今季初の連勝を狙うために気合いは十分。それに対してジェフLは前半戦の第7節までが4勝2敗と悪くないスタートだったが、5月8日の伊賀FC戦(1-0)以降勝ち星に恵まれず順位をズルズルと下げてしまっている。

そんな両者の対戦だが、最初のチャンスを掴んだのはジェフL。2分にCKを奪い、その直後に深澤がファーストシュート。5分には筏井がゴールを狙うと、その一連の連続攻撃から今度は加賀もミドルを放っていく。メンバー表上のシステムは4-4-2だが、守備に回る時間以外は細川が一列高い2列目に入り、安本も前線に入って3-4-3的なポジションを取り、前線の3人が流動的な動きを見せて狭山の守備に的を絞らせない。

試合の入り方としては、完全のジェフLのペースだったが、6分にミスからあっけなく先制点が狭山に転がり込むこととなる。狭山FW村岡がボールを持つと、前線に走り込んだ薊にパスを送る。ペナルティエリアに入るかはいらないかの地点に飛んだボールに対して、DFとGKが対応に出る。しかし、ここで両者がそれぞれ判断ミスを犯してしまい、処理できずボールは後ろから入ってきた薊のもとへ。

GKはボールを処理しようと前に出てしまいゴールはガラ空き。そんな場面で、フリーでボールをかっさらった薊は、落ち着いてボールをゴールを流し込んで狭山が先制。

ここまで、ポジションを頻繁に入れ替えるジェフL攻撃陣にやられっぱなしだった狭山。しかし、先制点を奪ったことで落ち着きを取り戻し、狭山が盛り返しを見せていく。10分には、またも前に出すぎたGKの位置を確認して、薊がミドルレンジからゴールを狙うがここは惜しくも枠の外。11、12、14分と立て続けにいい形を狭山が作り出し、ジェフLゴールを脅かしていく。

先制点を奪われてから、ペースを相手に奪われてしまったジェフLだが、18分に細川の左からのクロスに中で待っていた安本がスルー。そして流れたボールに対して後ろから入ってきた井上が見事に合わせて同点。

同点となり、再び勢いを取り戻したジェフLの前に、またも防戦一方となってしまう狭山。全体の押し上げが上手く行かず、ラインが間延びしてしまい、なかなかボールが繋がらなくなってしまう。さらには、マイボールにしても散らす、揺さぶるといった攻撃がほとんど出来なくなってしまい、守備面でもジェフLの攻撃に対してバイタルエリアでのチェックが甘く、たびたびゴール前への進入を許してしまう。

このままでは逆転されるのも時間の問題かと思われたが、38分、薊が右からクロスに対して、ジェフL河村のヘディングがクリアミスとなってしまい、そのままゴールに吸い込まれていき痛恨のオウンゴール献上となってしまう。

先制点はDFとGKの連携ミス、そして2点目もクリアミスと、両方ともやらなくてもいい失点を与えてしまったジェフL。

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