福建省晋江市の砂浜で17日午前10時ごろ、正体不明の物体が爆発して1人が死亡、3人が負傷した。近くの建物や漁船にも被害が出た。物体は漁民が引き上げたもので、魚雷ではないかとの見方がある。爆発時には、漁民1人がくず鉄として売れないかと考え、物体をたたいて様子を調べていたという。中国新聞社、台海網など、多くの中国メディアが報じた。

 漁民が2010年10月に金属製の大きな物体を引き上げた。貝殻などでびっしりと覆われており、知らせを受けた武装警察も調べたが「正体不明」として放置した。物体はそのまま、砂浜に置かれていた。

 17日になりくず鉄として売れないかと考えた男性が、たたくなどして様子を調べていたところ爆発した。物体の「正体」についての公式発表はないが、形状などから「魚雷ではないか」との見方が出ている。

 爆発で、砂浜には直径10メートルほどの深い穴ができた。周辺に引き上げられていた小型漁船約10隻が被害を受けた。つないでいたロープが切れ、海に流れ出た船もある。

 周辺の建物20棟にも、壁に亀裂が入り、窓ガラスが吹き飛ぶなどの被害が出た。屋根部分が崩壊した民家もある。

 物体をたたいていた男性1人が死亡した。事故現場の近くにいた男性1人も重傷を負った。自宅の門近くで洗濯をしていた女性は飛んできた石が足に当たり、漁船の上で作業をしていた男性は吹き飛ばされ転落した。女性と吹き飛ばされた男性は軽傷という。

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◆解説◆ 中国では不発弾や砲弾が掘り出されることが珍しくない。旧日本軍が残したもの、国民党軍がつかっていたとみられる米国製のもの、最近になり不法に放置されたものなどさまざまなだ。

 爆発事故もしばしば起こっている。見つけた人が「くず鉄などとして売れないか」と考えたたくことなどが、事故につながっている。(編集担当:如月隼人)