2010シーズンのJリーグが終了した。最終節を待たずして名古屋が優勝し、最後までわからなかった昇格・残留レースも決着がついた。
 
特に気になったのは、FC東京の降格だ。来年のアジアカップの日本代表予備登録メンバーに6名も含まれているように、選手個々のクオリティは高かった。降格という結果は、一概には言えないが、意識の低さ、危機感のなさが招いた結果といえる部分もあるかもしれない。また、優秀な外国籍選手を補強しなかったフロントにも問題がある。大黒は確かに活躍したけど、いまいちスパイスが足りなかったね。
 
チーム一丸となって再び立ち上がり、スポンサーにもがんばってもらい、現在の選手のクオリティをキープできるとしたら、1年でJ1に帰ってくるんじゃないかな。柏もC大阪も、過去同じような状況だった。本当にちょっとしたことで、落ちもすれば上がりもする。ちょっとした予算の差と言い換えてもいい。名古屋と他チームの差はそこにあった気がするよ。
 
ともあれ、これで東京からJ1チームがいなくなってしまった。人口1300万人を超えるメガシティに、トップディヴィジョンのクラブが存在しないのだ。これは、Jリーグが地域密着になっていない象徴でもあると思う。1300万人の街が、たとえば6万5000人の鹿嶋市に負けるというのは、本来とても珍しいことなのだが、Jリーグでは当たり前の光景となっている。
 
それはもちろんアントラーズの努力があってこそだが、根本を見れば、地域密着ではなく、やはりJリーグがいまだに企業スポーツであるという問題に突き当たる。東京という街のクラブが降格したのではなく、東京ガスのチームが降格したのだ。
 
だから、東京がバルセロナやマドリッド、ミュンヘンのように、恒常的にリーグの中心、柱になることはとても難しい(パリのクラブは弱いけど)。現状のあり方では、無理だと言ってもいいね。
 
本当の意味で企業スポーツから脱却し、プロクラブ、プロリーグとして一本立ちできるように、どこかで舵を切らなければならない。それには勇気も必要だし、痛みもあるだろうけど、僕はそう訴え続けていきたいね。今のままじゃ、都市対抗野球と変わらないよ。(了)