W杯開幕までちょうど2ヶ月となった。フランスサッカー連盟(FFF)のエスカレット会長は、大会前にドメネク監督の後任を発表すると繰り返しているが、人事が難航している可能性が高い。

 今月1日にはFFFの理事会が開かれたが、次期監督の話題は会長の口から出ず、エイプリルフールのジョークとしてレキップ紙が「後任はエマニュエル・プティ氏」ともっともありそうにない情報を流したのみだった。

 11日には、有力候補のひとりであるディディエ・デシャン氏(現マルセイユ監督)が、TF1局のサッカー番組で「FFFからコンタクトは受けていない」と明らかにした。

 もうひとりの有力候補、ローラン・ブラン氏も現ボルドー監督という立場からコンタクトを受けているとは考えにくい。ブラン氏はシーズン中にこの話題が持ち出されるのを極度に嫌っているうえ、チームの2連覇に黄信号が灯り出した状況で、FFFと話し合う余裕などないと見るのが自然だ。

 会長が候補に名前を挙げたのはあと2人。ジャン・ティガナ(リヨン、モナコなどの監督を歴任)とアラン・ジレス(前ガボン代表監督)の両氏だが、国民の期待が高まるような華のある人選とは言いがたい。キャラクターとしては面白いルイス・フェルナンデズ氏(元パリ・サンジェルマン監督)はやる気満々だったが、見込みがないとあきらめたのかイスラエル代表の監督に就任した。

 有力候補の2人が現役の監督である以上、大会前の発表、という公約に無理があったのはたしか。またしてもエスカレット会長に批判が相次ぐおそれがある。