『人の発言にはリポートトーク(report-talk)と、ラポートトーク(rapport-talk)の2種類がある』
最近思うのは、営業マンのトークがリポートトークに偏り過ぎているのではないか・・・ということ。

デボラ・タネンという言語学者は、『人の発言にはリポートトーク(report-talk)と、ラポートトーク(rapport-talk)の2種類がある』と述べています。

事実や情報を述べるのがリポート・トークで、リポーターが現場の状況を報告するように、間違いのない客観的な内容を伝えようとする話のこと。一方、ラポート・トークは情緒的な内容で、自分の主観や気持ちを伝え、相手とのつながりを深めたり関係を構築したりしようとするトークです。(ラポートとはフランス語のラポールと同じで、調和とか信頼関係、心に橋のかかった状態のこと。)

ビジネスでは、往々にしてリポートトークが求められます。「君の考えもいいけど、事実はどうなの」「数字を交えて客観的に」と要望され、論理的で明快なモノ言いが大切であると訓練される訳です。これはこれでとても大切なことなのですが、そういうコミュニケーションばかりになると、何か事務的で緊張感に満ち、余裕のないギスギスした雰囲気の職場になってしまう可能性があります。営業においても、リポートトークだけだとお客様には面白みに欠ける内容になりがちで、誰が担当者でも同じ、調べれば分かる感じがするので盛り上がらず、関係ができにくい訳です。

だからと言って、ラポートトークばかりになると、曖昧で感覚的な仕事が増え、緩んだ雰囲気の職場になるでしょう。営業場面でも、ややもするといい加減な印象を与えかねません。商品知識がないとか、ノリで営業しているとか、場合によってはお客様を軽く扱っているように見えかねないので注意が必要です。


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