今回の【どっちが勝ち組でショー】 は、志田未来 VS 成海璃子。2007年の夏休みには、日本テレビの「学校って、なに?」キャンペーンで共演も可愛かった「中学生女優」達も4月からは(志田が高校に入学したら)、二人とも現役女子高生。女優の仕事に加え、学校の勉強、友達、恋愛と人生で一番忙しく、華やかな時期を迎える。そんな“桜のつぼみ”のような若手女優二人の「青春」対決である。


現在、『誰も守ってくれない』(君塚良一監督)が公開中の志田未来。は1993年5月10日生まれの15歳。この冬は気の抜けない受験生ではあるが、先の映画のPRや、フジテレビ月9ドラマ『ヴォイス〜命なき者の声〜』にゲスト出演したりと何かと忙しい。

2005年の『女王の教室』から、『14才の母』(2006年)、『探偵学園Q』(2007年)、『ドリーム☆アゲイン』(2007年)、『正義の味方』(2008年)とずっと日本テレビの連続ドラマに出続けているが、NHK 80周年記念ドラマ『ハルとナツ 届かなかった手紙』(2005年)や、フジテレビ『鯨とメダカ』(2008年)といった、他局の良質な単発ドラマにも多く顔を出す。
今年3月には、読売テレビ開局50周年記念ドラマ『さくら道』(日本テレビ)と、フジテレビ開局50周年記念番組『黒部の太陽』にも出演している。

「一体いつ学校に行っているのだろう」という程の活躍ぶりだが、友達とお菓子をつまみながらおしゃべりしたり、プリクラしたりと女子中学生らしく遊ぶ時間もあるとのこと。(フジテレビ『さんまのまんま』出演時のトークより)食べ物の好き嫌いとか、爪を切らないズボラぶりをアピールしているが、おおかたお茶の間や、番組プロデューサーを喜ばす為のリップサービスであろう。
表面の「お気楽さ」とは裏腹に、『14才の母』や『誰も守ってくれない』などシリアスな役をこなす志田未来だが、今はきっと今後の進路問題でドラマ以上に苦難な時間を過ごしているに違いない。中学は義務教育だから仕方がないが。

いっぽう、NTTドコモの新CMで毎日見かける成海璃子(1992年8月18日生まれ16歳)。彼女は出てなかったが、昨年のドラマ『ルームオブキング』(フジテレビ)みたいな設定のおしゃれアパートで、管理人役の山崎努のおじいちゃん、“恋もする”ちょっとお姉さんの住人、堀北真希やら、“鈴木史朗の執事にとり憑かれている住人”松山ケンイチなどが展開する「アンサーハウス」のほとんどのCMの”最後に出てくる”。なにしろいっぱい流れるから、一日何度も成海とTVで会うことになり、どの世代の人にも成海が「半ば家族」のように思える仕掛けの“あざといCM”だ。

そんな日本国民の妹(韓国ではキム・ヨナがそう呼ばれる。)、成海璃子だが、ドラマではけっこうさんざんだ。
初主演の『瑠璃の島』(2005年 日本テレビ)では印象深い少女を演じ話題となるが、天海祐希主演の『演歌の女王』(2007年 日本テレビ)で演じた演歌少女は暗くてパッとせず、2008年フジテレビで放送の話題作、『ハチミツとクローバー』では、成海の演じる“はぐちゃん”(花本はぐみ)は「マンガと違いデカイ」などと、ヒドイ言われようであった。
テレビドラマの『ハチクロ』が、マンガや映画と違い「安っぽく」なってしまったのは、決して成海だけのせいではないのだが、成長期真っ只中でいつも冷静な成海が、「神経がはち切れそうな芸術少女」は厳しい役だったのかもしれない。でも、成海は健康的な成海のままでいいと記者は思う。

今回の勝ち組は、ドラマや映画のヒット度、役柄のハマリ度など女優面では志田未来。志田は「明るい」「暗い」どちらの役も文句なしの演技力、出演する作品の話題性からして圧倒的だ。