チェルシーのディディエ・ドログバをマルセイユに買い戻すことを目的に、サポーターがウェブサイト上で移籍金の募金を行なっている(www.didier-revient.com)。フランスに古くからあるテレビの24時間チャリティー番組「テレトン」にあやかって「ドログバトン」と名付けられたこの企画、29日の時点で3万4731人が参加し、実に260万ユーロ(約4億4000万円)を集めている。

 このアイディアをもとに、最近「チャリティ・トランスファー」(www.charitytransfers.com)なるサイトも誕生した。このサイトは本気で選手を呼び寄せるためのものというよりは、人気のバロメーターとして機能することを趣旨に作られた模様で、“寄付金”の上限は1人100ユーロに定められている。

 対象となるのは“ほしい”選手に限らない。“辞めてもらいたい”選手や監督、会長、審判、コメンテーターにまで及ぶ。29日午後の時点では、カカ(ACミラン)のレアル・マドリー行きを望む270人が2万5652ユーロの寄付を約束し、ドログバのマルセイユ復帰を望む245人、2万515ユーロを上回っている。ほかには、ジエゴ(ブレーメン)のパリ・サンジェルマン入りを夢見る人が160人(1万2521ユーロ)に達している。

 しかし現時点で断トツなのは、フランス代表のレイモン・ドメネク監督。“辞めてもらいたい”に353人が2万8136ユーロの寄付を申し出た。ドメネク監督といえば、ユーロ2008グループリーグで敗退したあと解任も取り沙汰されたが、ネックのひとつには、2010年まで残った契約に対して莫大な違約金を払わなければならない事情もあった。これについては、ドメネク監督に代表入りを拒まれ続けているルドビック・ジュリ(当時ASローマ、現パリ・サンジェルマン)がスポーツ報道番組「Info Sport」に生出演した際、「募金が必要なら真っ先に出すよ」と冗談半分で話していた。

 ドメネク監督のほかに不人気の上位には、リヨンのオラス会長、インテルのマテラッツィ、マルセイユのシセ、マンチェスター・ユナイテッドのクリスティアーノ・ロナウドなどが挙がっている。