今年の夏、ハビエル・サビオラはプエンテ・アエレオに乗ってバルセロナから首都マドリーへと去っていった。バルサで出場機会に恵まれなかったと嘆き、チャンスを求めバルサの永遠のライバル、レアル・マドリーへと移籍した。

 では、サビオラは出場機会を得ることができたのだろうか?数字はウソをつかない。この2年でリーガでの開幕からの8試合を比較して見ても、それはハッキリしている。昨シーズン、バルサでは8試合で5試合に出場しており、レアル・マドリーでよりも1試合多い。状況は変わっていないということだ。

 ただ、昨シーズンのバルサと今シーズンのレアル・マドリーでのサビオラの置かれた状況は異なる。サビオラは、ライカールト監督の構想から完全に外れていたが、それを承知で彼はバルサに残留したのだ。実際、開幕からの4試合で1分たりともプレーしなかったし、エトーとメッシのケガによる長期離脱がサビオラの状況を大きく変えたのだ。

 カルデロン会長は、かつてレアル・マドリーがラウドルップやフィーゴをバルサから奪ったように、サビオラ獲得という手段でバルサにダメージを与えようとしたが、これは失敗したということだ。サビオラは、シュスター監督のファーストチョイスではない。出場時間も8番目に少ない選手だ。

 出場機会を求め、“禁断の移籍”を敢行したサビオラ。今のところ、この移籍が彼にとって吉とでたとは言い難い。サビオラはどんな思いでいるのだろうか?とはいえ、シーズンは長丁場であるし、サビオラにもチャンスは必ずやってくる。それを活かせるかにかかってくるということだ。

(スペイン通信)