【サムライ通信】″まだまだだなぁ…″ 第1戦を終えて。
シャワーを浴び、洗いながし、ふき取った汗が、再び高原の額から流れ出す。「1−0という形にできて、これから自分たちの時間になるというところで、相手の勢いに多少慌ててしまった。試合の終わらせ方にしても、ファールの場面ではなくて、そこにいたるまでに甘さがでた。まだまだだなぁと……」前半はなかなかパスがこなかった。それでも献身的な運動でポスト役に徹した。後半16分、アクロバティックな形でチャンスを結果に結びつけた。だからこそ、終了直前の失点が悔しかったのだろう。
日本代表は極端に自陣へ引き、守りを固める相手に苦戦した。アジアの試合ではよくある形だったが、「あそこまで引いてくるというのは、予想以上だった」と今野が振り返る。それでも鈴木は語る。「試合前の予想というのはあくまでも予想。大事なのはそれをどう打開するかを考えること。相手は引いていたけれど、僕らがボールを廻して、相手を疲れさせようと思った。そして、後半になって相手の動きも悪くなった」
そういう中で生まれたのが先制点だった。「アジアというのは、日本でサッカーをするのとはまた違うものがある」と話したのは、中村俊輔。環境や気候といったものだけでなく、レフリーのジャッジ、プレースタイルや体の使い方など、多岐にわたる特徴がアジアにはある。それは、欧州や南米ともまた違う。
「こういう試合があるということは、まだまだなのかなぁ……と。我慢強く攻め続けた結果が先制点に繋がった。失点のシーンも含めて、いろんなことをチームメイトに伝え切れなかったことが残念でした」中澤は唇を噛んだ。過去のアジアカップはワールドカップ最終予選など、アジアの舞台で積み重ねてきた自身の経験を若い選手たちに伝え切れなかったこと。プレーだけではない課せられた“仕事”ができなかった。それが勝ち点2を落とす結果に繋がったと、中澤は悔やんだ。
「試合の終わらせ方という面では良くなかったけれど、それまでの部分は問題は無かったと思う。オーストラリアも1−1で苦戦した。ベトナムがUAEに勝利している。アジアの国のレベルは拮抗しているし、アジアでの戦いというものの難しさを知れたことがよかった」懸命に前向きなコメントで試合を振り返った鈴木。
歴代の日本代表が身に着けてきた様々な経験。それを新しい世代に繋げ、チームとして融合すること。本大会は結果だけでなく、そういう作業をする意味でも重要なものになることを改めて痛感した。
―― text by Noriko TERANO ――
サムライ通信
・高原直泰「試合の鍵は前半をいかに乗り切るか」
・遠藤保仁「日の丸をつけることの意味」
もっと見る
そういう中で生まれたのが先制点だった。「アジアというのは、日本でサッカーをするのとはまた違うものがある」と話したのは、中村俊輔。環境や気候といったものだけでなく、レフリーのジャッジ、プレースタイルや体の使い方など、多岐にわたる特徴がアジアにはある。それは、欧州や南米ともまた違う。
「こういう試合があるということは、まだまだなのかなぁ……と。我慢強く攻め続けた結果が先制点に繋がった。失点のシーンも含めて、いろんなことをチームメイトに伝え切れなかったことが残念でした」中澤は唇を噛んだ。過去のアジアカップはワールドカップ最終予選など、アジアの舞台で積み重ねてきた自身の経験を若い選手たちに伝え切れなかったこと。プレーだけではない課せられた“仕事”ができなかった。それが勝ち点2を落とす結果に繋がったと、中澤は悔やんだ。
「試合の終わらせ方という面では良くなかったけれど、それまでの部分は問題は無かったと思う。オーストラリアも1−1で苦戦した。ベトナムがUAEに勝利している。アジアの国のレベルは拮抗しているし、アジアでの戦いというものの難しさを知れたことがよかった」懸命に前向きなコメントで試合を振り返った鈴木。
歴代の日本代表が身に着けてきた様々な経験。それを新しい世代に繋げ、チームとして融合すること。本大会は結果だけでなく、そういう作業をする意味でも重要なものになることを改めて痛感した。
―― text by Noriko TERANO ――
サムライ通信
・高原直泰「試合の鍵は前半をいかに乗り切るか」
・遠藤保仁「日の丸をつけることの意味」
もっと見る