先代と比べると格段に洗練された走りが味わえるジムニー/ジムニーシエラ。プレス向けの試乗会では、とくにジムニーシエラに乗る時間が20分程度とかなり短かったので、広報車両を借り出して数日間付き合ってみました。試乗車は「JC」の4ATです。

ジムニーの175/80R16サイズのタイヤに対して、ジムニーシエラは195/80R15。先代よりもジムニーシエラのシートポジション(ヒップポイント)が高くなったのは、このタイヤのハイト高による差になっています。

ジムニーシエラの方がサスペンションストロークも長く、乗り心地の面では優位になりそう。ただし、実際に数日間乗ってみると、オンロードでは足は硬めに感じられるのが意外でした。

さらにトレッドもジムニーシエラは前1395/後1405mmと、ジムニーの前1265/後1275mmよりもフロントが30mm、リヤが130mm拡幅されています。こうした恩恵により、コーナーでのロールやピッチングもジムニーより小さく感じられます。

エンジンは、1.5L NA(1460cc)の直列4気筒DOHC16バルブVVTを搭載。660ccという上限があるジムニー(658ccターボ)との大きな差になっています。

高速道路を含めたオンロードを走らせる分には、動力性能や走行安定性からもジムニーシエラの方が有利なのは間違いなく、102ps/130Nmというスペックでも1100kgを切る車両重量なのでシーンを問わず、ほとんど不足を抱かせません。

ジムニーシエラ(4AT)の100km/h巡行時のエンジン回転数は、3000rpmを少し上回る程度で、現代のモデルとしては高めですが、それくらいまでの回転域であれば、音や振動面でも許容範囲といえそう。

街中や郊外路でもジムニーシエラのパワー面での恩恵は大きく、林道などのオフロードを頻繁に走るのでなければジムニーシエラという選択が無難でしょう。

ジムニーほどは良い意味でのタイト感(車内寸法ではなく、クルマを操る感覚)はなくても、パワーと走行安定性ではジムニーシエラの方が間違いなく1枚上手。長めの納期でも待った甲斐があると思えるはず。

(文/写真 塚田勝弘)

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