ベトナムのバイク市場は非常に大きいと言えるが、その市場で大きなシェアを獲得しているのが日本のバイクメーカーだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 経済成長を続けるベトナムでは「二輪車」が人びとにとっての足代わりだ。ベトナムバイクの登録台数は約4500万台となっており、全世帯の9割がバイクを保有しているとも言われている。

 ベトナムバイク市場は非常に大きいと言えるが、その市場で大きなシェアを獲得しているのが日本のバイクメーカーだ。かつては中国メーカーのバイクベトナム市場で圧倒的なシェアを獲得していた時期もあったが、それはあくまでも昔の話だ。ベトナムと国境を接していて、安価なバイクを輸出するのに有利な環境にあるはずなのに、なぜベトナムで中国メーカーのバイクはシェアを失ってしまったのだろうか。

 中国メディアの快資訊はこのほど、ベトナムは世界有数のバイク大国だが、ベトナムの路上で見かけるバイクのほぼすべてが日本メーカーのバイクであり、中国メーカーのものはまず見かけないとし、「なぜベトナム人は中国のバイクを嫌うのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事はまず、ベトナムではかつて中国のバイクが圧倒的なシェアを獲得していた時期もあったと指摘する一方、「残念ながら中国のバイクのシェアはほぼすべて日本メーカーのバイクに奪われてしまった」と指摘。また、中国のバイクは今や韓国メーカーのバイクより販売が少ない場合もあるとし、ベトナム人消費者は中国のバイクを完全に拒絶しているのが現状であると指摘した。

 続けて、ベトナムで中国のバイクがシェアを失ってしまったのは中国メーカー同士のカニバリズムと品質の低さが原因だったと指摘。中国のバイクは日本や韓国メーカーのバイクより圧倒的に安かったが、燃費が悪いうえに壊れやすかったと紹介したほか、中国メーカーはベトナムで価格競争を行ったため、「バイクを1台売っても30元(約500円)しか利益が出ないこともあった」と紹介。

 こうした悪性の競争が中国メーカーのバイクの淘汰に繋がってしまったと指摘し、「非常に有望で、大きな利益を獲得できる可能性があったベトナムにおいて、中国企業が自ら可能性を潰してしまい、日本企業に利益を提供した形になったのは非常に悔しいことだ」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)